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今月の顔-2004.10 バックナンバーはこちら
俳優(文学座所属) 新橋耐子
今回の「今月の顔」は、文学座俳優、新橋耐子さんです。東京下町のお生まれで、幼少の頃から日本橋高島屋、日本橋三越本店などに通い “お洒落でモダンな銀座の街”も地元のような感覚で長年親しんで来られました。演劇の舞台に立って40年余、文学座の公演で三越劇場をはじめ、明治座、新橋演舞場、ル・テアトル銀座など中央区の劇場にも数多くご出演されています。これまで関わりの深かった区内の劇場の特色や雰囲気など、楽しいお話を伺いました。

インタビュー映像がご覧いただけます。

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【座右の銘】温故知新略歴
昭和19(1944)年 東京・神田生まれ
昭和37年    私立三輪田学園高等学校卒業
昭和40年    俳優座演劇研究所入所
昭和43年     文学座研究所に移り、文学座にて初舞台「女の一生」を踏む
昭和46年    劇団・文学座、座員となる
        以後文学座の代表作「にごりえ」「華岡青州の妻」「三人姉妹」などの公演に出演し、「怪談牡丹燈籠」「ふるあめりかに袖はぬらさじ」では故・杉村春子氏の当たり役を引き継ぐ。またシェークスピア劇「リア王」「ハムレット」をはじめ、「頭痛肩こり樋口一葉」「近松心中物語」「鹿鳴館」など、外部出演も多数。
受賞歴 昭和52年度第12回紀伊国屋演劇賞個人賞(「雨」「山吹」にて)、平成6年度第2回読売演劇大賞優秀女優賞(「頭痛肩こり樋口一葉」にて)、平成10年度第9回松本市民劇場賞最優秀俳優賞(「頭痛肩こり樋口一葉」にて)。
インタビュー風景
俳優になられるまでの経緯、子供の頃の中央区との関わりなどお聞かせください。  実家は上野池之端の北大門町で、戦前は呉服商をしていたそうですが、戦後は割烹料理屋を営んでおりました。そこで育ちましたから、下町生まれの下町育ち。幼い頃から日本橋のデパートにはよく遊びに来ていました。中学、高等学校は千代田区九段にある私立三輪田学園に進み、学生時代には、友人たちと映画を観に銀座に来ていました。ですから、日本橋、京橋、銀座界隈は、幼い頃から慣れ親しんできた地域です。
 東宝の宣伝部の方の勧めで、中学3年生の時に俳優座養成所の選考試験を受けたのが、その後演劇の世界に入るきっかけとなりました。「面白そう」と、年齢を少々偽り、養成所を受験したところ受かってしまったのです。当然、条件を満たしていなかったので「高校を卒業したらいらっしゃい」と言われ終わってしまいました。その後、残念ながら大学受験に失敗し途方にくれていた時、ふと養成所のことを思い出したのです。大学受験を諦めたわけではありませんでしたが、とりあえず1年のつもりで養成所に入りました。そこで、厳しいけれども楽しい演劇の魅力に思いがけずもすっかりはまってしまい、3年間の俳優座養成所、さらに文学座研究所を経て、劇団文学座に入り、この世界一筋でやって参りました。
初舞台は昭和43年、文学座公演の「女の一生」だったと伺っていますが。   「女の一生」は文学座の代表作と言えるお芝居で、大先輩の杉村春子先生演じる主役 “けい”の義理の姉役でした。若い頃から大人びているというか、実年齢とはずいぶんかけ離れた役でしたが、入ってすぐの大役に無我夢中で、とても緊張したことを今でも鮮明に覚えています。「女優の登竜門」と言われる作品でしたから、今考えると大変に恵まれたスタートだったと思います。 これまで、たくさんのお芝居に出演されていますが、その中でも特に印象に残っているものはございますか。  こまつ座の旗揚げ公演のために書き下ろされた「頭痛肩こり樋口一葉」という井上ひさし先生の作品が、私にとっては大変に印象深いものです。花蛍という幽霊の役を初演(昭和59年)以来、約20年の間ずっとやらせて頂き、通算で500回位の公演回数になるのではないかと思います。同じお芝居、役を何度やっても、その時々で新しい発見があり、自分自身にフィードバックされるものがあります。この役に出会えたことは、俳優としてとても幸せなことであり、出来ればこれからも続けて行きたいと思っています。
インタビュー風景
インタビュー風景

三越劇場はじめ、明治座、新橋演舞場など、中央区の劇場についてお聞かせください。  中央区には本当に素晴らしい劇場がたくさんありますね。それぞれに特色があり、また、それぞれの雰囲気に合ったお客様がいらしているように思います。幸い様々な舞台に立たせていただき、私の女優人生の多くは中央区の劇場で育てていただいたといっても過言ではありません。
 三越劇場は、文学座の夏公演が毎年のようにあり、杉村春子先生(平成9年没)との思い出多いところです。平成10年の追悼公演では「怪談・牡丹燈籠」を上演し、先生の演じていたお役を引き継ぎ、たいへん緊張いたしました。今でも三越劇場に足を踏み入れると、先生との言葉に出来ないほどの思い出が脳裏に甦り感無量です。
 明治座は、街並みのためでしょうか、古いものの良さが色濃く残っている印象を受けます。もちろん劇場の建物は新しくなっていますが、近隣の人形町界隈はまだ昔の街並みが残っています。暖簾を作る老舗のお店や、舞台後ひとりでも気軽に寄れる雰囲気のお店など、近隣を含めてとても親しみやすい場所です。また、明治座公演 (2004年10月公演・里見浩太郎主演「大石内蔵助」)に現在出演中ですので、是非足をお運びください。お芝居を楽しみ、界隈を散策するのも明治座ならではの楽しみ方ではないでしょうか。
 新橋演舞場の舞台にも随分と出演させて頂いていますが、とても親近感があり、演じやすい舞台です。名前が同じということもあり、我が家のように大変に落ち着いた中で演じることのできる場所です。
 またル・テアトル銀座は新しくとてもモダンな劇場で、洋物のお芝居が多く私自身も「鹿鳴館 (平成14年) 」というお芝居をやらせていただきました。やはり銀座という地域柄でしょうか、お洒落なお客様が多いですね。 
 中央区の中のどの劇場をとってもそれぞれ“華やかさ”があり、こんなに素晴らしい劇場がたくさんある地域は、他にはないと思います。

劇場の他に、中央区で気に入っていらっしゃるところがございますか。   日本橋、京橋界隈の老舗には良く出かけます。明治屋や千疋屋などは、新しい食材、珍しいものが手に入り、いつ行っても変わらぬ魅力を備えていると思います。またデパートのウインドウショッピングも楽しみの一つです。中央区のデパートは、どこに行ってもお洒落なものが多かったのは、子供の頃も今も変わりありません。なによりも女性が一人で出かけ、ゆっくりお茶を頂きながらお買い物が楽しめる、そんな落ち着いた街の魅力が素晴らしいと思います。 お仕事や生活する上での信条についてお聞かせ下さい。   素晴らしい作品や役との出会いということもありますが、舞台の魅力はなんといっても毎回毎回が真剣勝負ということではないでしょうか。舞台に出る前の緊張感や恐ろしさは出演歴に関係なく、たいへんなプレッシャーを感じます。しかし一歩舞台に上がれば、どんなことがあっても演じ通さなければなりません。とても難しくエキサイティングな仕事ですが、それを楽しみたいと思っています。また、私自身の信条としては、常に前向きで過去は引きずらないと言うことでしょうか。「宵越しの金はもたない」的な下町育ちの気質があり、舞台は“消えもの”で、舞台に立っている時だけが全てという、その時々で全力投球する生き方が性分に合っているような気がします。
これまでの人生で、心に残る人との出会いや出来事がございましたらお聞かせ下さい。   文学座に入り、大先輩である杉村春子先生と出会えたことは、私の人生でとても大きな出来事だと思っています。先生と身近に接し、お芝居のこと、また人間として生きていく上で大切なことをたくさん教えて頂きました。どんなことがあっても手を抜かない、気を抜かない方でした。またお芝居で相手役として絡んでいるときには、絶対に目を逸らさずに、しっかりと相手を見据えて芝居をなさっていらっしゃいました。日常の生活でもこうした真摯なお考えや態度は一貫しておられ、とても魅力のあるお人柄でした。役とともに素晴らしい人間性も、先生に少しでも近づけたらと思っております。
インタビュー風景
インタビュー風景

最後に、次代を担う若い人たちに、ひとことメッセージをお願いいたします。   お芝居の世界のことしか分かりませんが、優秀でまとまりはあるけれども型にはまってしまっている人たちがいます。転ぶのを怖がらず、ちいさなすり傷、かさぶたをたくさん作って下さい。小さな怪我をたくさんして、大きな怪我を避ける術を学んで欲しいと思います。そして、ここぞと思うときには“大胆に”行動して欲しいと思います。自らの新しい可能性がそこから生まれてくるのではないでしょうか。


2004年10月掲載記事  
※内容は、掲載当時のものとなります  
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