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略歴
昭和18年9月 東京生まれ
昭和41年3月 慶応義塾大学経済学部 卒業
同年4月 住友商事株式会社入社
昭和52年11月 米国住友商事会社ニューヨーク駐在
平成2年7月 鉄鋼貿易本部鋼管貿易第一部長
平成4年3月 米国住友商事会社ヒューストン支店長
平成6年6月 取締役 鉄鋼第三本部長
平成9年4月 取締役 業務企画グループ担当
平成10年4月 常務取締役
平成13年4月 専務取締役
平成13年6月 取締役社長就任
趣味は、古寺めぐり、ゴルフ。
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 今回の「今月の顔」は、住友商事社長の岡 素之さんです。昨年(平成13年)4月、職・住・遊融合の新しい街としてグランドオープンした晴海アイランド トリトンスクエア。そのランドマークであるタワーに、多くの関連子会社とともに本社オフィスを移転。新世紀初頭に新たなスタートを切った住友商事を率いる若きトップリーダー岡社長に、晴海地区との関連、職場としての居心地、新しい本拠地で総合商社として更なる飛躍を目指す会社の今後の展望などをお伺いしました。

昨年5月、千代田区竹橋から晴海アイランド トリトンスクエアに本社オフィスを移転するに至った経緯についてお聞かせください。
 晴海の再開発は、地権者が中心となった「晴海をよくする会」がリードするかたちで推し進められてきました。当社もここに土地を所有していた関係で、17〜8年前から晴海一丁目開発のメンバーとして参画しました。1996年着工時にはまだ本社移転の話は出ていませんでしたが、1997年9月に移転を正式に決定しました。竹橋では4つのビルに分散して仕事をしていた為、業務の効率性やコミュニケーションの面で課題があり、全社が一箇所に集結出来る利便性を優先して、移転を決断しました。その後、関連子会社38社の移転も決まり、ここ晴海に住友商事グループが結集することになりました。トリトンスクエアのビジネス人口は2万人と言われていますが、そのうち8千人ほどが当社の関連です。
 
本社を移転されて一年余り、新しいオフィスの住み心地や、晴海地区に対する感想はいかがでしょうか。
 トリトンスクエアに集結したことで、社内はもちろんのこと、関連子会社とのコミュニケーションも向上し、仕事の効率は確実に良くなっています。先進技術を随所に取り入れたオフィスビルで、安全性も高く、非常に快適です。地下には大規模な夜間の蓄熱設備があり、省エネに貢献していると表彰もされました。移転の決定当初は、中央区のはずれというイメージや通勤時間が長くなるなど、社員の中に不満の声もあったようですが、実際に移ってみると、「職・住・遊の融合」という新しいコンセプトで生まれた地域だけあって、充実した商業施設やゆとりの空間、素晴らしい景色と環境の良さに大変満足しています。
 
本社移転とほぼ時を同じくして社長に就任されて、お仕事の上でとくに力を注がれていることはどのようなことでしょうか。
 私自身がとくに力を注いでいることは「戦略の現場化」ということです。端的に言うと、会社としての考えや方向性、戦略を個々の社員に、より明確に理解してもらうことです。そのために、文書やeメールでの伝達に加え、直接のコミュニケーションを重視しています。私が参加して、部長やチームリーダー、総合職や事務職との懇談会を頻繁に行っています。国内ではもちろんのこと、出張の際には海外の事務所でも機会あるごとに、こうした懇談会を開いています。そして、社員一人ひとりに会社の方針や戦略への理解を深めてもらうよう努めています。
 
総合商社として世界各地を舞台に様々なビジネス活動をされてますが、その一端をお聞かせください。
 総合商社というのは世界に類を見ないユニークなビジネスモデルです。総合商社とは何か、まず理解を深めていただくことが重要と考えています。当社は幅広い産業分野で多様なビジネスを展開していますが、そのひとつに消費者と直結する分野があります。晴海トリトンにも出店している調剤併設型ドラッグストア「TOMOD'S(トモズ)」とイタリアンコーヒーショップ「セガフレード・ザネッティ」のチェーン展開はその一例です。なかでもTOMOD'Sは、「美と健康の相談窓口としてお客さまに最適な商品提供を行う、専門性の高いドラッグストア」というコンセプトで、最近京橋店もオープンし好評を頂いています。 また、米国の高級ブランド「Coach(コーチ)」の旗艦店が2002年5月銀座にオープンし、順調な滑り出しをみせています。
 当社の持つ総合力をフルに活用し、お客様の様々なニーズに応え、「豊かさと夢の実現」を目指して、全力を尽くしています。
 
会社として代々受け継がれている事業精神がありますか。
 350年の昔、初代・住友政友の遺した「文殊院旨意書」に示されている “信用を重んじ、確実を旨とする”という言葉が、住友の事業精神として永く受け継がれています。当社ではその内容を現代的なわかりやすい表現にし、1998年に経営理念と行動指針を掲げました。更にはこれをベースに、社員一人ひとりが誠実に守るべきこととして9項目の「SCバリューズ」を作成しました。これを小さなカードにし、社員は常に携帯するようにしています。英語版も作成し海外で働くナショナルスタッフも持っています。
 
地域活性化のために尽力されていることはどのようなことでしょうか。
 オフィスがある街として、また施設の運営管理をまかされている立場から、「晴海アイランド トリトンスクエア」の活性化を第一に考えています。商業スペースのさらなる充実、花と緑と水のテラスをはじめ、ゆとりある空間、環境の整備など、ウォーターフロントの魅力をアピールし、より多くの方々に晴海を訪れて頂きたいと思っています。運河に架かるトリトンブリッジ(動く歩道橋)から続く桜の散歩道など、中央区の新しい観光名所にもなるでしょう。築地あたりから、銀座に向かう人の流れが、最近は逆の晴海方向に変わってきているといった、嬉しい話も聞こえて来ています。住宅の整備も進んでおり、社員の中でこちらに移り住む者も出てきて、まさに、「職・住・遊の融合」を実践しているわけです。
 ひとつ気になることは、大江戸線勝どき駅の通勤時の混雑です。安全性からも、早急に改善する必要があり、「晴海をよくする会」が東京都をはじめ中央区や関連各所に働きかけを行っています。地下鉄は出入り口が増えることになりましたが、バスの増便など他の交通機関も考慮に入れる必要があります。晴海地域の今後の発展に、交通インフラの整備は欠かせない課題として実感しています。
 また具体的なイベントとしては、当社が支援しているジュニアフィル・ハーモニック・オーケストラのコンサート「住友商事ヤングシンフォニー」を、今年5月と9月の2回、トリトンスクエアの第一生命ホールで開催しました。ご招待した中央区在住、在勤の方たちも大変喜んで頂きました。今後も地域活性化のお役にたてる活動を続けていきたいと思っています。
 
これまでの人生の中で、とくに印象残っている人との出会いや、出来事がありましたらお聞かせ下さい。
 プライベートなことですが、ヒューストン駐在のおり、シェル石油主催のヒューストンオープンというゴルフトーナメントに招待され、プロ・アマでチームを組んでプレーしたことがあります。一緒にプレーをしたのは、現在も活躍しているトッププロのJ・HAAS(ハース)氏でしたが、プレー後、彼から思いがけず丁重なお詫びとお礼の手紙を頂きました。「自分の調子が悪く、チームとして入賞出来なかったことを申し訳なく思う」といった内容でした。本来なら、こちらがお礼を言うべきところ、米国のトッププロがたまたま同じチームになった一介のアマチュアにこうした敬意を表してくれるなど、意外だったこともあり、たいへん感激しました。アメリカ人の良さを痛感した出来事として、また、アメリカへの良い思いがさらに深まったことが、印象に残っています。
 
最後に、次世代を担う若者たちへメッセージをお願いします。
 現代社会に少し欠けているのではないかと思うことがあるのですが、広い意味での「愛と夢」を持ってもらいたいということです。自分自身も含め、家族、友達、社会、あらゆるものに対し愛を持つことはとても大切なことだと思います。また、夢とは目標でもあります。一人ひとりが自分自身の目標の達成と夢の実現に、情熱を持って立ち向かってほしいですね。自らに良いことは、ひいては社会のために良いことに繋がると思います。

※記事の組織名や肩書は掲載当時のものです。  
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