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略歴
昭和6年12月25日   横浜の商家に生まれる
昭和29年3月 慶応義塾大学経済学部 卒業
昭和29年5月   株式会社 三越 入社
昭和52年4月   同社 仕入本部長
昭和52年5月   同社 取締役
平成 元年5月   同社 常務取締役
平成 7年5月   同社 専務取締役
平成10年1月   株式会社 三越 社長 就任
外部役職 日本百貨店協会 副会長、関東百貨店協会 会長、前払式証票発行協会 会長 中央区防犯協会会長、名橋「日本橋保存会」会長、趣味は読書と囲碁。
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 今回の「今月の顔」は、三越の社長、井上和雄さんです。古くは江戸時代、呉服商として日本橋に店を構え、この地の発展とともに歩み、親しまれてきた老舗デパート三越。320余年におよぶ伝統を大切にしながら、21世紀の新しい社会への貢献を目指す「三越」の牽引者としてご活躍中の井上社長。ご自身の「橋」に対する想いとともに、企業のスピリッツを穏やかな表情で語ってくださいました。

中央区日本橋との関わりは、三越に入られてからでしょうか。
 横浜の生まれなので、入社するまでは本店を訪れた事はありませんでした。以来、他の店舗に出ていた十数年を除いて、三十余年は本店に勤務しております。日本橋と三越とのご縁は深いですから、今では一端の「日本橋っ子」のつもりでいます。この地域で生まれ育った諸先輩から、「小さい頃、三越にパフェを食べに行くのが楽しみだった。」などというお話を承ると、地域に親しまれて歩んで来たということが実感出来、嬉しい限りです。またその様な環境で仕事を続けてこられたことは、本当に幸せなことだと思います。
 
受け継がれている三越の精神(社風)、また社長として実践されていることをお聞かせください。
 三越の経営理念には、「社会的貢献と企業の繁栄」「伝統を超える革新性」「まごころと創意工夫」が謳われており、その中でも大事なことは社会にいかに貢献するかということではないかと思っています。地域や社会とともに企業も成り立っているのであり、常にこのことは念頭にあります。  たとえば、地球規模で考えて重要な課題である省資源、環境問題への取り組みなど、社内に環境問題推進委員会を設けて、いち早く着手して来ました。包装は送る側の真心を伝えるもので、その簡素化はたいへん勇気のいることでしたが、最近では多くの方に理解していただけるようになりました。ここ数年、啓発は加速度的で意識の変化を肌で感じております。
 
中央区には日本橋本店・銀座店と二つの店舗がありますが、地域性をどのように感じておられますか。
 日本橋はやはり日本の金融、商業の中心地で、本店はその一躍を担う店舗として伝統を守り、また銀座は地の利を生かしたうえで、若い感覚を取り入れて、それぞれの独自性を出しています。職場から昼休みに自転車でデパートに、といった若い人たちの姿も見かけられる昨今、多様化した需要をしっかり受け止め、それに応えていくことが大切でしょう。中央区は近年、人口も増加の傾向にあり、職住接近というおもしろい街になってきていると思います。バランスの良い街は活性化し、発展にもつながっていくのではないでしょうか。
 
2004年には、設立百周年を迎えると伺っていますが。
 江戸期(1673年)に呉服商「越後屋」として江戸本町一丁目に店を開いたのが始まりですが、日本初の百貨店として株式会社設立が1904年ですので、そこからカウントして百周年になります。節目の年に記念事業として、いま日本橋本店の新館を「新・新館」として立替準備中で、2004年秋には竣工の予定です。駐車場も収容台数を増やし、上層階には界隈を見渡せる展望レストランを設けたりと、21世紀における地域の新しいランドマークとしての構想ができあがりつつあります。また、同時に銀座店の新館建設計画も進めています。
 
高島屋との共同企画ということで話題となった「日本橋祭り」も、今年で3年目を迎えたということですが。
 当初は橋がとり持つご縁として、地域の活性化になるイベントをと現場から持ち上がってきた企画です。この秋で6回目となりますが今年は日本橋界隈の老舗にもご協力いただいて、盛り上がりを見せてきています。高島屋さんとの連携は画期的なことであり、これを契機に資材調達や配送などを共同化し、協力体制が確立でき、経営の合理化にもつながっています。今後も、競争すべきところは競争し、連携できるところはともに力をたずさえて、地域、広くは社会のためになることを推し進めていきたいと思っています。
 
名橋「日本橋保存会」会長、防犯協会会長としても、地域のためにご尽力されていますが。
 私の人生は橋との関わりが深く、生まれ育った横浜の地には、運河に綺麗な名前のついた「橋」がいくつも架かっており、橋に対する憧憬には強いものがありました。入社当時、はじめて見た「日本橋」は上に高速道路はありませんでしたが、現在のように美しく整備されていませんでした。今日の姿にいたるまで「日本橋」を常に身近に感じてきて、微力ながら保存会の活動のお手伝いをさせていただいています。  由緒ある日本の代表的遺産「日本橋」を守り、景観をより素晴らしいものにして後世に引き継ぐということは、橋の袂で商売をしてきた私どもの義務でもあるし、切なる願いでもあります。  また、地域に根ざした安全管理は自らの手で、というのが防犯の基本的な考えだといえるでしょう。中央区は企業の多いところですし、職場を含む町全体の環境整備、防犯、安全は地元の方たちと企業人が一致協力していかなければなりません。その連携もスムースに行われ、秋の地域安全の集いがこの屋上で開催されます。また女性ならではのきめ細かな視点を生かしたOL防犯モニター制度も定着し、十分な成果を上げているようです。
 
次世代を担う若い人たちにひとことメッセージを。
 現代は物質的には非常に恵まれた時代だと思います。ただその中で個々の楽しみや便利さを追求するだけではなく、家族や社会、国のあり方という基本的なことを、原点にたちもどって考えて欲しいですね。何らかのかたちで社会から受けている恩恵を、いずれは社会に還元して行くという姿勢を大切に、いろいろと挑戦してみて下さい。
 

※記事の組織名や肩書は掲載当時のものです。  
   
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