柳の並木が増え、せせらぎが戻り、住む人が増えてくれることが今後の願いです。いつまでも、人の心が通う温かさのある町であって欲しいと思います。





 金春通りにある「九献」の和食ランチコース(限定10人分、1500円)はとくにおすすめです。「梅もと」で仕込まれた板前さんが独立し夫婦でやっているこじんまりとしたお店で、お昼でも落ち着いて食事ができます。また、ふく料理の「なると」はお米が美味しく、お刺身も新鮮で季節の味が楽しめます。博品館の6Fにあるイタリア料理の「トッポリーノ」、気軽に寄れてスパゲティーがおいしいです。8丁目にある「9丁目」というおでん屋も、足繁く通う気に入りのお店です。


 もう30年近く銀座の歴史についていろいろと勉強し、地域のための活動をしてきていますので、とくに「400年」だからといって取り立てて言うことはありません。郷土の歴史を勉強すればするほど、「江戸の文化」はすごいものだったと実感しています。知れば知るほど奥深く、町に対する愛着の念も強くなりました。文化の保存・継承は、ただ自然にまかせておいて出来るものではありません。受け継いだ遺産は、何らかの形でそれを残し、後世に伝えていくのが私たち銀座に住むものの役目です。幸い中央区の教育委員会のご理解も深く、この20年間に、芝口御門旧跡(昭和52年)、金春屋敷跡(昭和53年)、三十間堀跡旧跡(昭和61年)、銀座で唯一の鉄道踏切信号機の保存(昭和62年)、銀座金春通り煉瓦遺構の碑建立(平成5年)と、五箇所もの文化財保存が出来、提案進言をしてきた身にとっては、望外の喜びです。これからも、わたしの命の続く限り、知る限りのことを語り継ぎ、必要な働きかけを行っていこうと思っています。

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                                                          2003年10月掲載記事
                                                ※内容は、掲載当時のものとなります