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伝統技術【工芸編-3】日本橋人形町「岩井つづら店」看板と作品 Real Player ソフトのダウンロード Windows Media Player ソフトのダウンロード 映像がご覧いただけます。「岩井つづら店」店主 岩井良一さん
元禄時代初期、神田の職人によって誕生した工芸品・つづら。昭和初期に全国で250軒ほどあったつづら屋も、都内ではこの「岩井つづら店」を含め2店舗のみとなってしまいました。衣料品や呉服類を収納するのに欠かせないつづらも、現在では特注品や民芸品として人気が高まっています。江戸末期にこの地で創業し、先代からの技術を継承して、20年以上となった「岩井つづら店」の岩井良一さんにお話を伺いました。

今昔
明治には曾祖父がすでにこの甘酒横町にお店を構えておりましたが、創業は江戸時代末期まで遡り、先祖代々この地に居を定め、つづら制作の技を伝承してきました。私は昭和56(1981)年、32歳の時にそれまでの会社勤めを辞め、家業に入り、23年が経過しました。
つづらは、江戸時代から着物などの収納箱として使われ、嫁入り道具として一家に一個はあったようです。ここ日本橋には呉服店が軒を連ねていたこともあり、つづら屋が数多く存在していました。しかし、生活様式の変化に伴い呉服店の数が減っていくなかで、中央区のつづら屋は当店のみとなってしまいました。

技の伝承に立ち塞がる壁
当店では、佐渡・館山・京都より仕入れた竹かごに和紙(埼玉県小川町産)を貼り、「柿渋(かきしぶ・渋柿から採取する防虫効果の高い液体)」と「漆(カシュー漆)」を塗布する仕上げ作業を行っています。技術は父から学びましたが、全てを会得するのに7〜8年を費やしました。この技を後世に伝えていきたいとは思っていますが、私の子供たちに跡を継がせるかどうかは現在難しい問題です。なぜなら分業制のなかで、竹かごや漆刷毛を作る職人の後継者が減少してしまっているからです。ホームセンターなどで売られている漆刷毛では厚みがなく、作業用には適していません。様々な角度から考えても、つづら制作の永続は困難だと言わざるを得ないでしょう。

写真(1)写真(1)写真(1)
1.仕入れた竹かご   2.竹かごに和紙を貼る   3.柿渋と漆(カシュー漆)を塗る
 

カシュー漆とは
かつて、つづらに使用されていた「漆」は栽培が難しく、かつ樹液を採取すると枯死してしまうため、生産性の高いものではありませんでした。そこでつづらには、昭和30年代から代替品としてカシューナッツを原料にした「カシュー漆」を使用しています。江戸時代から続く伝統もこの様に変化せざるを得ないのが現状です。
写真(4)
カシュー漆の缶(上)と漆刷毛(下)

写真(5)
制作の上での喜び
数々のつづらを制作してきましたが、なかなか得心のいく一品は作れないものです。しかし、集中力が高まっている時には会心の作品が産まれることもあり、その時はひとり密かに喜びを噛み締めています。また、お客様に商品が届いて、お礼のお手紙やお電話を頂いたりするのは非常に嬉しく、制作の糧となっています。


人形町・甘酒横町の力
甘酒横町にお店を構えているおかげで、商いに大変プラスになっていると思います。テレビ等のマスコミで取り上げられた効果もあり、散策中の方がフラリと立ち寄って購入して下さることも多々あります。人形町が伝統的な文化を継承している街だからこそ、訪れる人々もそれを期待しているのでしょう。校外学習や修学旅行の見学、近隣の会社の方々がお客様をご案内して下さることもあります。これらは全て、日本橋人形町という街の力が人を運んできてくれる結果なのだと思い、感謝しています。
写真(6)

 
DATA  
岩井つづら店
商品-文箱 商品-掛子付小物入れ
文箱
掛子付小物入れ
つづらは軽く丈夫で、通気性も良く、防虫効果が高い上に見た目も美しい優れもの。インテリアや海外へのお土産として人気が高い。岩井つづら店で制作しているのは黒・茶・朱の3色で、大きさは3種類。一番小さい「文箱(ぶんこ)」(小・8925円、大・9975円)は便箋をはじめ、書類を入れるのに適したサイズ。「掛子(かけご)付小物入れ」(小・19950円〜大・23100円)は中が2段になっているので細々した物の整理に便利。一番大きい「衣装箱」(小・34650円、中・38850円、大・42000円)は着物の収納に最適で、「小」でも5枚は入るとのこと。また、全てのつづらに「家紋」(1050円、お好みのデザインにも対応)と「名前」(315円)を入れることができる。全て手作りのため、注文から約半年後の納品となる。

店舗住  所:東京都中央区人形町2-10-1(甘酒横町)
電  話:03-3668-6058
営業時間:9:00〜18:00 日曜・祝日休み
最寄り駅:東京メトロ日比谷線及び都営地下鉄浅草線人形町駅
      東京メトロ半蔵門線水天宮前駅
      都営地下鉄新宿線浜町駅

 


2004年6月掲載記事  
※内容は、掲載当時のものとなります  
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