■三越のカルチャー講師に
そうこうしているうちに、三越のカルチャーが始まったのよ。
三越と関わり合ったのは、まさに偶然だったの。
これは、自分からアプローチしたわけでは無いのよ。たまたま、あたしが舞踊協会で「保名」を踊った時、招待したお客様が、三越の関係者と一緒に見て下さってね。
ちょうど、その頃、三越で江戸幕府四〇〇年のパーティがあって、踊ってくれないかと要請されたの。勿論、踊ったわよ。
その時に、今度、三越に新館が出来てカルチャーサロンも始めることを聞いたのね。
「日本舞踊も入れたいが、やっていただけませんか」って。
もう、びっくりしてね。エー、あたしでいいんですかって、思わず聞いたのね。
普通だったら、有名な流派のトップの先生でしょう。
だから、紫先生にって言ったら、三越さんは、「名前だけで、お稽古に出られない人は駄目」って。紫先生もお忙しかったし、結局、あたしが引き受けることになったの。
このカルチャーも、かれこれ十一年目に入ったの。十年ひと昔って言うけど早いわね。
つづく…
(次回 『生涯、現役で踊りたい』 3月15日にアップします。お楽しみに)