“年齢やその人を取り巻く(結婚・出産・介護)環境に関係なく、本人の持つスキルや人間力、仕事に対する意欲があれば、良い仕事が出来る”それがエイジフリーのコンセプトです。働く場面で活躍したいという希望を持つすべての女性に向けて、私の経験も含めてお伝えできればと思います。

 

 前回にもお話いたしましたが、2013年より3年続けて北欧に「女性が活躍する社会」を視察に参りました。多くの企業でママさん社員や女性管理職を取材し、なぜ彼女たちが子育てをしながら仕事を続け、また管理職としてもバリバリと仕事をしていけるのかを考えました。
 もちろん本人たちの仕事に対する意識の持ち方も大切ですが、企業の制度や環境、風土の問題、そして国の制度、支援などの影響が大きいと思いました。日本も安倍内閣がここ数年「女性活躍推進」を打ち出してから、やっと社会が少しづつ変わって来ています。

 

 北欧の人たちからは、日本は30年遅れていると言われました。北欧では政治の世界でも女性議員が約4割を占め、国会の中にはママさん議員の為に保育園が用意されています。企業でも女性の役員、管理職が約4割いて、男女の差はほとんど無いという事でした。「専業主婦」という言葉も存在せず、結婚や出産をしても皆があたりまえのように職場に復帰して働いています。母親が産休をとった後には、両親のどちらかが育休をすることができ、女性は出産して3カ月位で復帰する人も多いのです。また扶養制度がないので、結婚しても自分で働き税金を収めるので、女性は精神面でも経済的にもとても自立しています。“仕事を長く続けることに覚悟はいらない。むしろ辞める事に覚悟がいる”という彼女たちの言葉に胸を打たれました。


 現在、日本で盛んに言われている「働き方改革」も北欧では、すでに自然なかたちで定着しています。働く人は限られた時間の中で効率的に生産性を上げて結果を出し、責任を果たしています。そして自身でセルフマネジメントをして、上司や会社から言われる前に自分で考えて働き効果をあげます。


 また、北欧では母親と父親が協力する事によって家族が一緒にいる時間を増やし、健全な家庭生活を営んでいる様子です。今、日本は働き方改革を推進していますが、「残業イコール評価」ではなく「時間内で結果を出すことに評価」という考え方に移行すべきですね。ノ―残業を推進すると「仕事が終わらない」とか、「休みが多くなる」という話をよく耳にします。できない事ではなく、どのようにしたら実現するかを考えて行動すべきだと思います。日本の社会から過労死や精神的な病いをなくす為にも、働き方改革を正しく理解し企業側の取り組みはもちろん、働く一人ひとりが意識改革をすべきなのです。
 北欧で実施されているのに、日本が無理なはずはありません。そして家庭内においては子育てや家事などを助け合い、家族が一緒の時間を共有することで健康な家庭を築いていただきたいと思います。


 デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、アイスランドの北欧5ヶ国は、「ジェンダーエンパワーメント指数」が世界の中で上位に入ります。つまり社会の中で女性が政治参加や経済界における活躍、意思決定に参加できる指数が高いということです。日本の女性は教育水準は高いものの、残念なことに社会に出てからの活躍度が低いのです。外国人からよく言われるのは、“日本の女性は宝の持ちぐされでもったいない”“なぜ優秀な女性たちをもっと活躍させないのか”と。女性というだけで、または結婚して子供がいるという事で差別を受ける、そんな時代が数年前までありましたから。
 北欧のすべてが日本に当てはまるとは思いませんが、日本が見習うべき事柄は沢山あると感じました。女性活躍推進 、働き方改革と今まさに安倍内閣が取り組んでいる事は、私も北欧の視察を通して日本に必要であると確信しています。そして女性自身の「働く事への意識」「人生の考え方」などを向上してほしいと考えています。


 いくつになっても仕事を続け「女性が輝く日本の社会」を作っていくには、国と企業、女性が三位一体になって、それぞれの立場で努力、改革、推進をしていき、あきらめずに続ける事が大切ですね。現在の子どもたちが成長した時に、“あの時代の女性たちが頑張ってくれたから働きやすい”と言われ、良い社会になったと思ってもらえる為にも今こそ自分自身の手で変革していきましょう!





 

 

 

  
 
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