中央区には事業所が約4万社あります。そこで働いている人は72万人に上ります。商売が上向きになればこの72万人の人が幸せになれます。私の役目は中央区の企業や働く人が幸せになるお手伝いをする事です。
起業、廃業、倒産、第2創業、バブル、事業承継、相続、これら全てを事業の現場で体験した屈指のコンサルタント「岩田剛三」が体験を通して感じた商売や生き方のコツを皆さんにお話しします。

 今、飲食店のマーケティングでとてもSNSが熱いです、SNSって何だ?ソーシャルネットワークサービスの事。要するにソーシャルなネットワークをサービスするって事です。なんのこっちゃ?フェイスブックやツイッターの事ですね。他にも色々あるようですが代表的なのはこの2つです。東日本大震災の時にあれだけ携帯がつながらない中でツイッターが通じて助かった人がいたというニュースもありましたね。今、飲食店でこれを活用するお店が大変増えています。何と言っても費用がかからないのが受けている原因の一つです。

 飲食店のマーケティングで重要なのがお客様と「関係性」を持つということがあります。今や星の数ほどあるお店の中から貴方のお店を選択してもらうには、料理がおいしい、サービスがいいなんてのは既に当り前の前提条件です。その上で来店を促すのは貴方とお客様の関係性です。もし、これを買うとしたら貴方から買いたい、もしイタリアンを食べるのなら貴方のお店に行く、美味しいお蕎麦をたべるのなら貴方のお店に行く。そういう関係性を常に作っておく事が大切です。

 例えばどなたかの紹介で新しいお客様が4人で来たとします。美味しい料理を提供して、今できる最高のサービスを提供して、そうすると帰り際にお客様が口々に「美味しかったわ~。」「又来るわね。」と言って帰ります。今までそういうお客様の何割が再来店していますか。殆どない。またはないに等しくありませんか?あんなに褒めて頂いたのに、絶対また来るって言ったのに来ない!それは何故かと言うと、人は「忘れる。」のです。人間は記憶に限界があって全てを思いとどめておく事はできません。3日経つと全て忘れます。それどころか、貴方のお店を出て電車に乗った瞬間に明日の仕事の件を思い出し、貴方のお店を忘れます。そうなんです。人間は忘れるのです。

 そこで「関係性」を作る事が重要になって来ます。まずは古くからあるニュースレターをやるお店が多いです。第一歩は記憶に留めてもらう事です。最初はいわゆるご挨拶から。次には貴方がお店にかける想いだったり、食材のこだわりだったり、貴方のお店の特徴だったりを伝えていきます。お客様が増えていきますと、お手紙を出す通数も増え、それに比例して費用もかかるようになります。ニュースレターの難点は第一にここにあります。第2に効果測定がしづらい事です。よく、このチラシをご持参の方にとやりますが、新規客にはいいのですが本当の常連はあまり反応しません。この辺から悩みが続き、書くネタもなくなりいつの間にかレターを出さなくなるというお店が多いようです。

 その点SNSは情報量が自由に調節出来ますし、お客様の反応も早いのが特徴です。まずはフェイスブックやツイッターでお客様に情報を提供します。いいお魚が入ったら、それを捌いてる写真とか、いいお肉が入ったら断面を見せてサシの状態を案内するとか、こだわりや特別な部分を発信していく訳です。手間はかかりますが費用はかかりません。ただ、写真映えするメニューが何点か必要になります。イメージで行くと、回転寿司の「こぼれいくら」とか「一本穴子」の感じです。私は一本穴子は好きではありませんが、好き嫌いは別にして映像にしやすい、したくなる商品が必要です。そうすればお客様が勝手に写真を取って拡散してくれますから、広告費ゼロでお店の宣伝が出来ます。

 ここで重要なポイントはSNSでもアナログでも一緒です。「売り込まない」事です。今のお客様は売り込みを嫌います。あくまでも関係性を保つ情報発信です。私はアナログ(ニュースレター)も否定しません。お店のお客様の質によってはデジタルよりも、手書きのニュースレターが有効な場合があります。その場合は通数管理をしてコストパフォーマンスをあげる事が必要です。アナログとデジタルを上手に使って商売繁盛と行きましょう。通数管理をするにも貴方の思いを反映させる方法がありますが、これは何れまた別の機会に。

 さて、貴方が新しいものに取り組む時、一回雲にのるといいかも知れません。そうです。あの空に浮かんでいる雲です。お店の中で考えるのではなく、俯瞰した状態でお店や自分を見てみると何が足りて何が不足しているか客観的に見る事ができます。五月晴れの空にぽっかり浮かぶ雲。雲に乗れたら…。考えただけで気持ち良くないですか。ふわふわと空を散歩…。え、高所恐怖症の人はどうするかですって?ん~。海に潜ってみますかね。

 

貴方の商売が眩しいくらいに光輝き、貴方と貴方の大切な人に幸せが一杯訪れます様に。

 

 

 


  
 
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