中央区には事業所が約4万社あります。そこで働いている人は72万人に上ります。商売が上向きになればこの72万人の人が幸せになれます。私の役目は中央区の企業や働く人が幸せになるお手伝いをする事です。
起業、廃業、倒産、第2創業、バブル、事業承継、相続、これら全てを事業の現場で体験した屈指のコンサルタント「岩田剛三」が体験を通して感じた商売や生き方のコツを皆さんにお話しします。

  企業にとって「お金」は血液と同じです。こいつが回らなくなったらどんなに黒字でも会社は潰れます。逆にどんなに赤字でもお金さえ回れば企業は存続出来るということですから、資金繰りをきちんとする事はとても重要な事です。その中で一番怖いのは不渡りを出す事です。小切手や手形を発行してその期日に残高が足りなくなり不渡りを宣告されます。1回目は宣告で済みますが2回出すと「銀行取引停止」になり、銀行から入金、出金が出来なくなり事実上倒産になります。逆に小切手や手形を出していなければ銀行取引停止にはなりませんので上手に資金繰りすれば倒産しないという事なので、手形/小切手を発行しない方がいい言う事はすぐに判りますね。手形小切手を発行していなければ支払先へお願いして支払を伸ばしてもらったり社会保険や固定資産税を延納するとか取りあえず凌ぐ事が出来ます。手形小切手の発行がすぐに止められない場合は銀行さんと当座貸越の契約を結んでおく事もオススメです。この辺りのテクニックは何れまたお話するとして、今日は「資金繰表」についてお話したいと思います。


 貴方はどんな資金繰り表を使っていますか。多くの方は3カ月とか6カ月の表で入金、出金を管理する別表(参照PDF)の様な用紙を使っているのではないでしょうか。まず今後6カ月の各月の入金、出金を書き出します。6か月の総合計で入金が6000万あり出金が5400万、各月で見ても入金の方が多いのでこれでOK!と考えがちですが、問題は入金と出金の日にちです。いつお金が入っていつ支払があるのか、例えば月の合計では足りていても500万円の出金が25日にあり入金が月末に偏っていたらこの25日の支払は出来ません。ですので本当の資金繰りは日毎、日次でやる必要があります。前述の手形、小切手を切っている企業は日次資金繰りがMASTです。切っていなくてもどこかに迷惑を掛けますから資金繰りは日次でやって下さい。


 まずは入金の予定日を書き出し、それを該当する日にちへ記入します。支払も同様です。支払日は決まっていると思いますので該当する日にちに記入して行きます。例えば前月末の残高が500万円、1日の入金が100万あって出金が10万円あれば500万円+入金100万円-出金10万円ですから1日の残高は590万円ですね。そうやって1か月の資金繰りを作り、もし不足する日があれば準備や手配をしなければなりません。「やり繰りする。」という事はこういう事を言います。いくら全体で資金が足りていても、支払日に資金が無ければ駄目なのです。資金繰りは日次でやりましょうね。


 日次資金繰り表の重要性は判っていただけましたか。このやり繰りは高邁な思想や企業理念とかの問題ではなく日々のお金を管理するテクニックです。零細企業なら社長自身が中小企業なら社長か経理担当者が覚えておきましょう。ただ、資金繰りで最初にやる事は手形や小切手を発行しないと決める事かも知れません。


 企業にとってお金というのは血液だと言いましたが、個人(貴方)にとってはどういうものでしょうか。命の次に大切なものですか。それとも命の次に大切なのは家族や恋人ですか?お金の大切度順はどの辺ですか。この大切度でお金の順位が下に行けばいくほど幸せ度は上がると思いませんか?時にお金が命より大切な物になってしまう人がいます。現実に私の周りにはお金を持ち過ぎてお金が命より大事になって命を落としてしまった人もいます。お金が無くて争いが絶えない人もいます。お金儲けが人生の目的ではありません。お金は貴方が幸せになる為のツールですから上手に貯めて上手に使って人生を楽しんで下さい。くれぐれもお金に振り回される事がないように…。


 


 貴方と貴方の大切な方に必要なだけのお金がいつも回ってきますように、そして幸せになりますように心からお祈りしています。

 

平成27年 弥生

 

  
 
copyright 2004 Tokyo Chuo Bissiness Navi All Rights Reserved.