中央区には事業所が約4万社あります。そこで働いている人は72万人に上ります。商売が上向きになればこの72万人の人が幸せになれます。私の役目は中央区の企業や働く人が幸せになるお手伝いをする事です。
起業、廃業、倒産、第2創業、バブル、事業承継、相続、これら全てを事業の現場で体験した屈指のコンサルタント「岩田剛三」が体験を通して感じた商売や生き方のコツを皆さんにお話しします。

 

 12月に入りますと、忘年会が続き酒びたりの日々が続きます。まさか私だけではないですよね。(笑)皆さん飲み過ぎて身体を壊さないよう気を付けましょう。
 12月は皆さんも色々なお店に行く機会が増えると思いますが、支払の際に「ここ高いな~!」って思う時ありませんか?会社の忘年会とかで補助が出たり、あらかじめ会費が決まっている場合はあまり感じないかも知れませんが、個人的に行くと支払の際に今日の飲み物や食べた物やサービスの感じで何となく「5000円位かな?」とか「かなり飲んだから6000円位かな?」とイメージしますよね。その価格より1,000円高いと「ちょっと高いな。」と思いませんか?2,000円高いと「かなり高いぞ!」3,000円高いと「2度と来ない!」となりませんか。価格は味、サービス、雰囲気の総合力で感じるのですが、美味しいのが基本です。不味かったりしたら、サービスも雰囲気も台無しです。先日行ったお店ですが、イタリアンで美味しいのですが支払の時に「高い!」と感じたお店があります。生モノ系が妙に高いので全体の価格がお店のサービスや雰囲気と比べて割高に感じてしまうのです。通常、飲食店の場合は原価率が何故か決まっています。普通の飲食店は30%~35%、言葉を変えて言うと3倍に売る訳です。330円で仕入れて手を掛けて1,000円で売る。高級なホテルや和食だと5倍になります。逆に安い持ち帰り弁当だと2倍位になります。あまりこの原価率に拘ると妙に高いお店になり、お客様が遠のく場合があります。

 

 仮に和食店で茶碗蒸しをメニューに入れるとします。中に入れる海老を最高級の活き車海老を使った場合と、冷棟のバナメイ海老を使った場合の原価は、活き車海老が1本200円、バナメイ海老が1尾20円なら、売価はどうなりますか?3倍に売るとしたら前者は海老だけで600円、後者は60円で売れますよね。どの海老を使うかはお店のランク(自分で決める)で決める訳ですが…。元々高級店なら迷うことなく車海老を使うのですが、中級店だと取りあえず中級の海老を使って試作し、この価格なら売れるだろうという値付けをします。でもね、車海老の方が圧倒的に美味しいとしたらどうしますか?原価率を守ると売価が一気に10倍になってしまいます。そこで原価率を考えずに粗利額で考えます。このメニューを一個売って粗利がいくら必要なのか、例えばコース料理のみのお店と仮定します。5,000円のコース料理で一か月100人の来客があるとします。売上が50万円、原価率30%とすると粗利は35万円です。もし、車海老を使ってもこの粗利を確保すればいいと、3倍に売らなくてもいいと考えれば、海老の差額180円だけ値上げしてコース料理を売ればいいのです。それでもしこのお店は美味しいと評判になればお客様も増えます。今人気の「俺のフレンチ」系はこの考え方に近いと思います。工業製品でも同様です。まず工場の人件費や経費を計算して時間当たりの賃率を算出します。その後に工数を算出し更に販売管理費や利益を足して価格を出すのですが、ここでも素材を良くしたらどうなるかを検討してみると面白いです。素材を変える事で圧倒的な商品になったら?どうですか。もしかして、売上増?なんて事になりませんか…。


 どんな商品にも言える事はその価格に経営者の想いを詰められるかどうかです。「美味しい物をお客様に提供するのが当店の使命」であると考えるならその想いを商品に詰める!「儲けよう!」と思って高い素材を使うのではありません。大事な商品だからこそその一品に貴方の想いを詰めてお客様に伝えましょうね。



  さて、光陰矢の如しと言いますが月日の経つのは早い物、あっと言う間に12月になりました。年々このスピードが速くなっている気がします。まさか年のせい?1日が長く1年が短く感じるといわゆる年だそうです。この時というのは誰にでも平等です。お金持ちにも貧乏な私にも一秒、一分は変わりません。しかも自分の時間はあとどの位残っているのか判りません。だから人生は面白いんだと思います。感じ方でゆっくり時が流れたり、あっと言う間に過ぎてしまったりします。私の好きな歌の一節にファイブハンドレッドトゥエンテイファイブサウザントシックスハンドレッドミニッツという節(すいません、発音悪くて)があります。525600分の事で、1年を分に換算するとこうなるそうです。でもね、1年を数字で数えても意味がないんじゃない?夜明けに飲んだコーヒーの数や笑った数や喧嘩した数で数えたらどう?でもね、でもね、一年を愛の数で数えたら、愛で一年の長さを測ったらどう?愛と言う時、愛で計る春夏秋冬、どうか愛を忘れないで、貴方の人生を愛で計ってみて…。とこの歌は謳っています。

 

  今年もあと僅かです。素敵な一年でしたでしょうか。貴方と貴方の大切な方に、行く年も来る年ももっと素敵な時が流れます様に、愛に溢れる525600分でありますようにお祈りしています。どうぞ良いお年をお迎え下さい。

 

平成27年 師走

 

  
 
copyright 2004 Tokyo Chuo Bissiness Navi All Rights Reserved.