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中央区のお医者さん

2004.4月号
 

ストレスが原因 過敏性腸症候群について

 会議、通勤途中などに突然の腹痛、便意に襲われたことありませんか?駅などでトイレを探して冷や汗をかいた経験をおもちの方、案外いらっしゃるのでは? 通勤通学途中でトイレへ行きたくなる、緊張するとおなかが痛くなる、旅行へ行くと便秘になってしまう、こんな症状を過敏性腸症候群(IBS)といいます。あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、立派な病名です。放置しておくと日常生活に支障をきたし、精神的苦痛にも見舞われます。一度、医療機関で相談しましょう。

 

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Q. 過敏性腸症候群( IBS )とは?

  A. IBSとは、消化器外来をしていると多くの方に見られる症状で、その病態はいまだ解明されていません。特徴としては症状発現にはストレスに対する腸管の機能異常が関係しているといわれています。IBSの症状としては腹痛、腹部不快感と便通異常を慢性的にくりかえします。便通異常は下痢型、便秘型、下痢と便秘を交互にくり返す交代型に分類されます。これらの症状はストレスでひどくなることが多いようです。 イラスト
2 Q. 検査すれば診断できますか?
  A. 一般的な消化管の検査では異常は見つかりません。しかし、多くの患者さんの腸中を内視鏡で観察することで、IBSにある特徴があるのに気がつきました。人相と一緒で、腸にも人それぞれの顔つきがあるのです。IBSの多くは腸壁がきれいなのに、腸の異常な収縮するヒダが多いのです。この収縮は痙攣に近いもので、抗痙攣剤の投与で改善するのが分かりました。つまり、IBSは腸の運動異常なのです。
3 Q. 治療法を教えてください
  A. 一般的に生活習慣の改善と、薬物療法、ケースによってはカウンセリングが必要になります。不規則な生活がIBSを悪化させていることが多いので、規則正しい生活が必要です。十分な睡眠、朝に時間のゆとりをもち朝食後に排便習慣をつける、飲酒の制限、刺激物摂取の制限、動物性蛋白脂質の摂取制限、乳製品摂取の制限が重要です。 イラスト
4 Q. どんな薬がありますか?
  A. 根本的にIBSを治す薬は現在のところありませが、症状を緩和するための薬はあります。基本的には、腸の運動を制御するもの、下痢止め、その他精神的な面から精神安定剤、抗不安薬などがあります。人によって症状が異なりますので、薬の種類もこれらの中の組み合わせになります。
5 Q. 薬が効かないときは?
  A. 専門医を受診して、検査をしましょう。IBS以外の病気があるかもしれません。大腸がん、潰瘍性大腸炎、クローン病など除外診断が必要です。他に病気が無いとすれば、薬が合わない可能性があります。また、薬だけではなく、心療内科での、カウンセリング、抗精神薬の投与が必要になるケースも少なくありません。 イラスト
   IBSで悩んでいる方、薬が効かない方、一人で悩まずに専門医(消化器科、胃腸科、心療内科)を受診することをすすめます。そして、誰か相談相手を探すこと。ゆっくり話しを聞いてもらうことも大切です。ストレスを放置しておくと、胃潰瘍や免疫力が落ちていろんな病気を併発することがあります。運動したり、音楽を聴いたり、友達とお喋りしたり、旅行に行ったり、忙しい毎日の中で忘れていた事をもっと自ら行動することも必要でしょう。

 
林先生
林 剛一
(はやしごういち)
銀座胃腸クリニック院長。順天堂大学医学部卒業。ニューヨーク留学中に内視鏡の世界第一人者である新谷弘実先生から新谷式大腸内視鏡挿入法を伝授される。以来年間、約2千件以上の大腸内視鏡をこなし、早期の胃癌および大腸癌の治療を数多く執刀。
でも、休日はねこといっしょにお昼寝するのが趣味という動物好き。

銀座胃腸クリニックホームページ


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2004年4月掲載記事  
※内容は、掲載当時のものとなります  
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