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中央区のお医者さん

2007.8月号
 

夏かぜ

 夏に流行するウイルス性の病気を、一般的に「夏かぜ」といいます。子どもにかかりやすい代表的な夏かぜとして、手足口病・ヘルパンギーナ・プール熱の3つがあります。夏かぜの対処法などについて書きます。プール熱は、「咽頭結膜熱」の俗称です。

 

 

Q. 夏かぜの原因は何ですか?

  A. 夏かぜは、ウイルスの感染で起こります。主に原因となるウイルスが言われています。
参考までに、あげてみますと、
手足口病:コクサッキーウイルスA16型とエンテロウイルス71型
ヘルパンギーナ:コクサッキーA群ウイルス
プール熱:アデノウイルス3型と7型

  Q. 夏かぜになるとどんな症状が出ますか?
  A. まず、手足口病からご説明します。手足口病は、その名の如く、手のひらや足のうら、口の中に小さな水ぶくれができます。ひざやおしりにも出ることがあります。熱は大抵でませんが、高熱がでることもあります。口の中が痛くて摂食ができなかったり、つばが飲み込めず、ヨダレをたらす子どももいます。ごくまれに髄膜炎を起こすこともあります。

 つぎに、ヘルパンギーナですが、38〜39℃の熱が2〜3日間続きます。のどに赤い小さな発疹ができます。それが水疱となり、破れて潰瘍になります。手足口病と同様に、潰瘍による口の中の痛みから、摂食ができなかったり、ヨダレをたらす子どももいます。

 最後に、プール熱ですが、これも高熱を出す夏かぜで、39〜40℃の高熱が4〜5日間続きます。のどの痛みが強く、目やにが出て眼球結膜が充血します。プールに入らないからといって、かからないわけではありません。

 3疾患とも、頭痛や腹痛、嘔吐、下痢などのお腹の症状を伴うこともあります。

  Q. どのような治療がされますか?
  A. 原因がウイルスであり、細菌の場合と異なり、抗生剤は効きません。抗ウイルス薬などの特効薬もありません。熱やのどの痛みをおさえる薬、口内炎の薬を処方します。

  Q. 対症療法しかないということですね。家庭で気をつけることは何かありますか?
  A. まず、大切なことは、水分補給です。水分は十分に取らせてください。すっぱいものはさけ、しみない飲料として牛乳、麦茶、冷めたポタージュスープなどが適します。
 食事については、のどや口が痛く、高熱もあり、食欲がわかないのが普通です。酸味や塩味が強いもの・熱いもの・かたいものはさけ、喉ごしのよいもの、かまずに飲み込めるものがよいです。冷ましたおじや、とうふ、冷めたグラタン、そうめんなどでしょうか。
 高熱に対しては、脱水が進みますので、まずは、十分水分を取らせ、水枕・氷のうで冷やしてください。熱でぐったりする、寝つけないなどの場合は、かかりつけ医の指導のもと、解熱剤をご使用ください。
 お風呂については、高熱などでぐったりしていなければ、入浴しても構いません。
 感染予防の点では、手洗いとうがいが、ウイルスの飛沫感染や接触感染を防ぐために大切です。プールのあとのシャワーや洗眼もきっちり行ってください。

  Q. 医師にかかっていて一度診断をうけてから、再診した方がよい場合は、どんな時ですか?
  A. 基本的に、対症療法をしながら、休養をとり、自分の免疫で、治していきます
が、次のような場合は、再度受診し、かかりつけの先生の指導に従ってください。

(1) 口やのどの痛みが強く水分をあまり飲まないとき
(2) 3日以上高熱が続く時
(3) ぐったりして、元気がないとき
(4) 嘔吐や頭痛が激しい時

  Q. 登園・登校の目安はありますか?
  A. 特にプール熱になった場合、学校に連絡を入れてください。この病気は、感染力が強いため、通常、主な症状が消えてから、2日間は学校を休ませます。医師に治癒証明をもらい登校してください。
 手足口病とヘルパンギーナの目安は、施設により異なります。基本は、熱が下がり、症状がなくなることですが、かかりつけの先生のご指導に従ってください。


 今、外来患者さんの多くが、夏かぜで受診されています。かかった時は、十分休養をとってください。
 では、暑い日がつづきますが、家族旅行、花火大会、盆踊り、イベントが目白押しです。思い出いっぱいの夏休みでありますように。


 
小坂先生
小坂 和輝
(こさかかずき)
智弁学園和歌山高校・広島大学を卒業し、聖路加国際病院小児科、東京女子医大循環器小児科学教室を経て、現在中央区月島で小児科専門クリニック(病児・病後児保育室を併設)を開業。中央区医師会理事。抗生物質の適正使用、児童虐待、ドメスティック・バイオレンス、少年犯罪、メディア・リテラシーについてNPOと連携して取り組む。本人は社会企業家でありたいと望む。小一と3歳の2児の父。趣味は株・飲むこと・走ること。

小坂こども元気クリニックホームページ


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2007年8月掲載記事  
※内容は、掲載当時のものとなります  
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