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中央区のお医者さん

2007.11月号
 

職場不適応のサインとは?

 不適応のサインのパターンには3つあります。身体面、行動面、精神面です。多くの場合は身体→行動→精神面という順序で出現してきます。こころの問題は、精神面だけでなく、身体面、行動面にも出現してくることを理解することが、早期発見のために重要になってきます。

 

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Q. 職場不適応とは具体的にどのような症状が現れるのか?

  A. 大きく分けて、身体面・行動面・精神面に症状が現れると考えられます。

1 Q. 身体面のサインとは?
  A. 身体的サインは、内科医を受診しても問題がないと言われたり、薬を飲んで一旦よくなったからと、それだけで済まされ、その原因となったこころの問題まで探らずに放置されてしまうことが多くみられます。

●身体面のサイン
心気症… ストレスや悩み、不安などがたまった時、身体そのものには器質的異常がないのにもかかわらず、各種の身体症状が出現するもの。各種の痛み(頭痛、腹痛、胸痛、生理痛)、めまい、吐気、下痢、発熱、動悸など。
心身症… ストレスや悩み、不安などがたまった時、器質的異常を伴う疾患や症状が出現するもの。消化器系(胃・十二指腸潰瘍・下痢・便秘など)、循環器系(高血圧、不整脈など)、呼吸器系(喘息・気管支炎など)、皮膚系(じんま疹、円形脱毛症など)、産婦人科領域(月経困難症など)。

このような身体症状を見かけたら、内科的な問題だけでなく「こころの問題があるのではないか?」と疑ってみる態度が重要です。

1 Q. 行動面のサインとは?
  A. 職場の上司は職員の行動面のサインで気付く機会が多いでしょう。

●行動面のサイン
出勤状態… 欠勤、遅刻、早退の増加。
業務内容… 集中力低下、能率低下、ミスの増加、事故頻発。
対人関係… 協調性低下、孤立。
日常生活… 生活時間の不規則、睡眠時間の乱れ、生活態度の乱れ。
逸脱行動… アルコール依存、異性トラブル、ギャンブル、サラ金苦、家出、暴力行為。

このような行動面の乱れを見つけたら叱責するだけではなく、背後に潜むかもしれないこころの問題を疑ってみて下さい。

1 Q. 精神面のサインとは?
  A. 前述の身体面・行動面での症状を放置すると最後には精神面のサインとなって出現します。

●精神面への現れ方
精神不安定… 感情の起伏が激しく、定まらなくなる。不機嫌で易怒的になりやすく、また、ヒステリックになりやすい。
性格変化… 暗く陰気になる、無気力で無感情になる、爆発しやすくなる。
精神障害… 軽度な神経症状態や抑うつ状態から始まり、より深刻な方向へ進展。

実際には職場内では、この段階で問題化することがほとんどです。この段階ではすでに精神科医の治療が不可欠な場合が多く、さらに受診を促しても困難な場合も多く見られます。

1 Q. 対処法は?
  A. 精神面のサインとなって現れる段階に至る前に上司・同僚などが「サイン」を見落とさずに早期に対処すれば、専門の医師でなくとも、周囲の援助や環境調整だけで問題が解決していくこともあります。


 
田中先生
田中 利幸
(たなかとしゆき)
田中クリニック銀座院長。東京女子医大大学院修了。大阪大学医学部付属病院神経科・精神科入局を振り出しに、東京女子医大、国立大阪南病院で研修、研鑽を重ねる。医療法人博奉会相模ヶ丘病院副院長を経て2000年1月に働く方のための都心の保健室をめざしてメンタルクリニックを銀座に開設。現在多くのビジネスマン、OLの患者さんの診察に当たっている。

田中クリニック銀座ホームページ


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2007年11月掲載記事  
※内容は、掲載当時のものとなります  
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