Q)24歳女性です。夏ばてでぐったりしてます。ドクターに相談したら「ビタミンの点滴で多少改善するかも」と言われました。なんとかなりませんでしょうか?


A)夏ばては「夏やせ」「暑気あたり」などとも称されますが、夏の高温下で生じた全身倦怠感など一連の症状であり診断名ではありません。ビタミンは体内に長期間とどまることができず、ある種のビタミン剤は疲労回復に有効なのも確かです。いわゆる「ニンニク注射」は自由診療ですが、ビタミンを含有しておりある一定の効果があるでしょう。しかしながら一般の保険診療では、これらの症状名で使用できる西洋薬はありません。

  

Q)夏ばてで食欲が落ちたせいもあるかもしれませんが、時々めまい、頭痛が起きます。


A)夏ばて = 熱中症ではありませんが、めまい、嘔気、頭痛がひどい場合、熱中症のなかでも点滴治療が必要なレベルの可能性があります。さらに意識混濁がある場合、救急外来のある病院へ受診することをおすすめします。

  
  

Q)毎年夏ばてで辛いのです。なんとかなりませんか。


A)先程、「西洋薬には夏ばてに対し、保険で用いることのできる薬がない」と答えましたが、漢方薬にはあります。補中益気湯(ホチュウエッキトウ)、清暑益気湯(セイショエッキトウ)という保険医療で用いることのできる漢方は、夏ばてをあらわす「夏やせ」「暑気あたり」におのおの処方可能です。
「疲れ」や「だるさ」は主観的であるがゆえにかなり個人差が出る症状です。つまり人のエネルギーは目に見えず数値化しづらく、西洋医学が苦手とするものです。東洋医学では疲労感やだるさを感じる状態を気虚(キキョ)と言います。補中益気湯という薬の名前の由来は「真ん中を補う」「気を増やす」という身体の真ん中(特に胃腸系)の足りない部分を補い気力を注入するという意味を持ちます。昔、「気」という漢字は中に「米」という文字が入る「氣」と表記されました。食欲不振や消化不良、嘔吐など人の中心部分が上手く機能していない、つまり消化機能を立て直すことが肝心だという意味を持っています。

今年、平成30年の夏は酷暑として記憶に残る年になるのではないでしょうか。夏ばてにお悩みの方は、ぜひ東洋医学を用いた治療も検討してください。

  
  
  

堀田先生がお勤めの病院をご紹介します

※平成31年3月29日に閉院しました。

病院名 医療法人社団福和会 八重洲地下街クリニック
診療科 内科 漢方内科 小児漢方 (鍼灸応需)
診療時間 9:30~14:00 / 16:00~20:00(受付は終了30分前まで)
休診日 土・日・祝日
住所 〒104-0028 東京都中央区八重洲2-1 八重洲地下街中1号 地下2階
電話番号 03-6262-7867
ホームページアドレス https://yaechika-clinic.jp/
  
 
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