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健康情報4月号
カルシウムとっていますか? −骨粗しょう症についてー

 近年、高齢化社会になり、骨粗しょう症という病気がクローズアップされています。
 骨粗しょう症とは字の如く骨がもろくなった状態をいい、骨が折れやすくなっています。一般的に、骨粗しょう症は中高年の女性に多い病気とされていますが、20代30代の女性にも見られるようになってきました。食生活の乱れ、カルシウムの不足、運動不足などが原因になっています。あなたの骨は大丈夫ですか?
林 剛一(はやしごういち)
 銀座胃腸クリニック院長。順天堂大学医学部卒業。ニューヨーク留学中に内視鏡の世界第一人者である新谷弘実先生から新谷式大腸内視鏡挿入法を伝授される。以来年間、約2千件以上の大腸内視鏡をこなし、早期の胃癌および大腸癌の治療を数多く執刀。
でも、休日はねこといっしょにお昼寝するのが趣味という動物好き。


Q.骨粗しょう症って?
  A. 高齢になって腰が曲がってしまうのは、実は骨粗しょう症が原因の一つになっているのです。もろくなった脊椎が骨折などで変形してしまうために起こるのです。骨粗しょう症は圧倒的に女性に多く、更年期を過ぎた高齢者だけではなく20代から30代の女性にも見られるのです。その原因として、女性は生まれつき骨が細く、男性に比べカルシウムの摂取量が少ないこと、妊娠・出産・授乳でカルシウムを大量に消費すること、また閉経後に女性ホルモンの分泌が変化することによって骨量が減少するためと考えられています。
Q.予防法を教えてください?
  A. 厚生労働省の国民栄養調査では不足している栄養素は唯一カルシウムだけという結果が出ています。カルシウムの1日必要量は600mgとされていますが、実際に摂取している量は平均すると540mg前後でしかありません。カルシウムを多く含む食品としては、乳製品の他、ちりめんじゃこ、しらす、めざしなど骨ごと食べられる小魚類。ひじき、わかめなどの海藻類。特に海藻類には牛乳の14倍ものカルシウムが含まれているといわれています。また、精製されていない穀物、あるいは、ちんげんさい、小松菜などの緑黄色野菜の中にもたくさん含まれています。こうした食品をバランスよく摂取することが大切です。これ以外にも、適度な運動と、日光浴によるビタミンDの活性化が必要です。
Q.ビタミンDはどう関係しているのですか?
  A. ビタミンDは日光の紫外線の作用により皮膚内で合成されたり、食物として体内に吸収されたりします。その後、肝臓や腎臓で酵素の作用により活性型ビタミンDとなってはじめて、カルシウムの吸収を促進したり、カルシウムとリンを骨に沈着させたりする働きをします。運動不足や、日光にあたらない生活をしていると、活性型ビタミンDの不足につながります。
Q.検査すれば判りますか?
  A. 検査はX線による方法などで、骨量を測ることができます。検査法も普及し、簡単に検査を受けられるようになりました。その結果、若い女性の中にも、平均より20%ほど骨量が減っている人がいることがわかりました。
Q.注意点を教えてください。
  A. 一般的に生活習慣の改善と、薬物療法があります。若い女性で注意しなければならないのが、ダイエットです。極度の食事制限によりカルシウムの摂取量が落ち込むために、骨量が減ってしまう人が多いようです。コンビニ、ファーストフードばかりの食事も要注意です。また、牛乳が苦手な人は無理に飲まないようにしてください。日本人の約75%の人が牛乳蛋白のアレルギーで、乳糖不耐症、牛乳不耐症があるといわれています。牛乳を飲むと下痢をしたり、食事が食べられなくなったりして、かえってカルシウムを失ってしまうからです。サプリメントとしてカルシウムを補給するのもよいでしょう。

 気がつかない間に骨量は減少していきます。骨粗しょう症になってからでは遅いです。若いうちから十分にカルシウムを摂取し、適度の運動をこころがけましょう。


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2003年4月掲載記事  
※内容は、掲載当時のものとなります  
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