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既存の吹き抜けを利用した免震階の新設
オフィスビルの「画期的な改修事例」の紹介

画期的な改修事例として今回ご紹介するビルは、浜離宮近くの新大橋通りに面した、「浜離宮建設プラザ」です。この建物は、1972年に竣工以来28年が経過しており、耐震診断の結果耐震改修が必要であると診断されました。

耐震改修の方法としては、柱や梁を補強したり、ブレースを増設する方法が一般的ですが、この建物では民間建物としてはほとんど前例がない「中間階免震工法」を採用しました。免震装置は基礎部分に設けるのが一般的ですが、この建物では2階部分の大部分が吹き抜けであったことから、免震装置を中間階の2階部分に設けました。その結果、通常の免震工法でネックとなる、建物の基礎部まわりに設けるピット(隙間)が不要になりました。

免震工法を採用すると免震階以外の階の補強が不要で、建物の使い勝手に大きな変更を加えることなく地震時の安全性を飛躍的に向上させることが出来ます。なお、中間階免震工法の場合、エレベーターや階段等の免震階から下の部分を、免震階より吊る構造にすることが必要となりますが、今回ちょうどエレベーターが更新時期をむかえていたために耐震改修とエレベーターの更新を同時に行うことができました。免震階の新設は4月末までに終了し、6月末に建物が無事竣工しました。

浜離宮建設プラザ

改修前
 
竣工写真


建築主 東日本建設業保証株式会社
設計監理 株式会社 松田平田設計
施 工 清水・鹿島・大成・戸田建設工事
共同企業体

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既存建物の吹き抜け部分を利用した免震階の新設


(下図中の赤色部分が、免震階を新設した吹き抜け部分)

免震装置の設置状況

用語の解説

免  震 特別に工夫された装置により、地震の際に建物に加わる力を大幅に低減するものです。(詳しくはこちらのサイトへ
ブレース 斜め方向に掛け渡す部材で、地震により建物に働く力に対抗する部材です。
耐震改修 古い基準で設計された建物の地震時の安全性を向上させるために行う改修です。
耐震診断 古い基準で設計された建物の安全性を設計図や現地調査により確認することです。(詳しくはこちらのサイトへ

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