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来館者数1万人を突破!
橋の資料館で勝鬨橋の魅力を再発見


かちどき 橋の資料館:建物は勝鬨橋の橋詰にあった変電所をそのまま改造・整備したもの。資料館自体が橋の歴史を継承する存在でもあります。


元変電所だったことを示す当時のプレートが今も建物に付けられています。

かちどき 橋の資料館』の来館者数がこの11月に早くも1万人を超え、今年5月のオープン以降、中央区内外から高い人気を博しています。

同資料館は、「歴史的価値のある都市施設を再生・保存することにより、土木技術の継承に貢献し、さらに観光資源として活用する」ことを目的に建てられたもの。館内には、勝鬨橋が開閉していた当時の貴重な実物資料が展示されているほか、橋の持つ歴史的価値とその魅力を知ることができる展示コーナーが多数設けられています。

展示のなかでも、100分の1スケールで造られた勝鬨橋模型コーナーは必見です。スイッチを押すと、説明アナウンスと同時に模型が動き出します。橋の下の隅田川に船が近づくと、橋上の信号が赤に変わり、橋桁の中央部分から大きくゆっくり開く勝鬨橋。川上を船が行き過ぎ、橋が閉じれば、再び人や車、路面電車が橋上を行き交う。そんな開閉していた当時の橋の様子を知ることができます。

この他にも、橋の歴史を当時の映像やCGなどで学ぶことができる説明用映像コーナーや、開閉の仕組みを迫力ある映像で見られる視聴覚コーナーがあります。また、勝鬨橋の図面や開閉していた時の橋の部品や設備なども、当時のまま保存・展示されており、特に発電設備と電気設備の大きさは圧巻の一言。貴重な実物展示ならではの迫力を目にすることができます。

勝鬨橋の魅力を再発見できる『かちどき 橋の資料館』。勝鬨橋とともに中央区の歴史を綴る名所として、今後も多くの来館者を集めていくことになりそうです。なお、同資料館では、現在、橋が開閉していた当時の橋脚内機械設備を見学できる「橋脚内案内ツアー」を実施中(参加費無料、申し込み制)とのこと。詳細は資料館ホームページをご覧下さい。


隅田川沿いの遊歩道から見た勝鬨橋
資料館のある橋詰の広場には「かちどきのわたし」や「勝鬨橋之記」など、
橋の歴史にまつわる石碑が建てられています



橋上にある開閉のための運転室


橋の中央部。開閉していた当時はこの部分が空へ向かって70度の角度まで開いたそうです
勝鬨橋メモ

開閉しなくなって今年で30年以上

勝鬨橋は、昭和15(1940)年6月14日に架設された跳開橋、いわゆる跳ね橋です。開通当初は1日5回開き、船を通していました。しかし、道路交通量の増加や船舶通行量の減少などにより、昭和45(1970)年11月29日に行われた試験のための開閉を最後に、以降今日まで30年以上「開かずの橋」となっています。

昭和初期の最先端技術の粋

勝鬨橋の建設には、昭和初期の最先端技術技術の粋が集められ、当時の跳開橋としては東洋一の規模を誇っていました。なお、同橋は、平成11(1999)年に「東京都選定歴史的構造物」に選定されています。

幻の万博のメインゲート橋

勝鬨橋の建設は、東京港修築計画の一環として計画されました。その後、晴海地区を会場として日本初の万国博覧会の開催が計画され、同橋をそのメインゲートとして利用することに大きな期待が寄せられました。しかし、戦争の激化により万博は中止。メインゲートとしての勝鬨橋の姿は幻となりましたが、橋の建設自体は着工から約7年もの歳月をかけて無事に完成に至りました。


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