Vol.5 築地の夜明け前
日本経済新聞の土曜版に入っている「NIKKEYプラスワン」を読んでいたら「外国人に人気の観光スポット」として築地市場が第一位に輝いていた。「東京ディズニーランド」、「浅草寺」を抜いていた。 築地市場内で働く人間としては、ほんの少し嬉しい気分を味わった。
市場への一般客の入場を年末年始から禁止していたが、2月6日には入場者数を1日最大120名限定(マグロ卸売り場)にして再開した。写真は午前3時半過ぎの様子である。入場の受付は午前5時から始まるのだが、先着順なので並んで待っている。受付場所が勝どき橋に近い「おさかな普及センター」なので、勝どき橋よりに30名以上の人たちが並んでいる。
その人達が興味を示してカメラを向けている方向には、魚を保冷するために氷を砕き販売している、通称「氷屋さん」と呼ばれる「築地市場氷販(株)」。
尋ねられるのは「TUNA AUCTION?」「 SUSHIDAI?」「DAIWASUSHI」といったお寿司屋さんの名前ばかり。最近では野菜の卸売場も聞かれる。また、近頃はロシア系の観光客か中国系の人が多い。
最もアジア的で混とんとしていて夜中から賑やかなこの光景は、外国の人からどのような風景にみえるのか。聞いてみたいのだが私の英会話力では恐ろしくて聞けない。せいぜい道を教えるしかないのが残念である。