« 2012年05月 | メイン | 2012年07月 »

2012年06月20日

Vol.6 雨に煙る獅子頭

 6月9日から東京は梅雨入り。夜半から雨が止まない。シトシトと降るかと思えば、結構雨脚が強い。築地の波除稲荷神社は6月7日から夏祭り。去年は東日本大震災の影響で中止になったため、二年越しの本祭り。昨日は夏の日差しで暑かったのに、今日は生憎の雨模様。けれど、睦の人たちは朝から生き生きと大忙し。法被(はっぴ)を着た人たちの嬉しい笑顔に囲まれて、祭りは始まった。

20120620_ph01.jpg

 築地市場に通勤をはじめてから9年も経とうとしているのに、波除神社のお祭りをじっくり見たことがなかった。神社から山車が出て市場内の水神社を出立して市場内を巡行し、新大橋通り、晴海通りと続く。着物姿の氏子やお祭りのお囃子が流れると、時間が江戸時代に遡りタイムスリップした気分になる。顔見知りの人たちが袴姿で正装しているのを見るのも新鮮な感じ。

20120620_ph02.jpg

 祭り大好き人間にとって、これからの時期は浮き立つ気分が続く。私が地方から上京して初めて祭りを見たのが、月島の住吉神社の例大祭。印象が強烈だった。見知らぬ人が気さくに声掛けをしてくれて、飲み物まで勧めてくれた。単純な動機だが、それまでに抱いていた東京のイメージがこれを境に変わった。以来、高揚を皆で共有できる祭りが大好きになった。

20120620_ph03.jpg

 祭りの最後の日は、真夏を思わせる上天気。祭りで日焼けした顔が、明日の築地の朝とともに日常の顔に舞い戻る。