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■ 1月1日発行  このページの先頭へ
千葉大学都市環境システム学科
川辺の再生と街づくり

今なぜ川辺か
  20世紀、環境を破壊し、川を蔑ろにした時代を反省し、21世紀に入り、川辺との関係に撚りを戻したいとして注目が集まりますが、二度と同じ過ちを繰り返さないように、川との関係を再構築し、確かなものにしなければなりません。
  中央区は日本における交通ターミナルとしての機能を有しており、東京駅と箱崎から結ばれる交点にある茅場町・八丁堀は重要な位置です。この亀島駅川、地下鉄と水上交通システムのターミナルをつくることを提案します。
  21世紀の日本は、国の政策として、2010年までに国際観光客を1000万人にする倍増計画を進めています。その半数以上が東京に来訪すると見込まれていますが、観光客を迎え入れるための新しいシステムの整備は不足しています。
  水上交通システムは重要な観光アイテムとしての役割を持つことから、この国際観光と水上交通システムをテーマとして、亀島川の水辺再生の提案と、茅場町・八丁堀・新川・湊地区の新しい街づくりの考えを提案します。

亀島川の現状
  〈評価できる点〉
  ◇水門により高潮が防御されているため、堤防が低く、沿川地域と川のコミュニケーションが取れている。
  ◇船舶の係留場が設置されており、活気がある
  ◇階段護岸が水辺に人を近づけている。
  ◇川幅に変化があり、色々な施設を可能とする余地がある。
  〈評価できない点〉
  ◇階段護岸がコンクリート剥き出しであり殺風景である
  ◇橋梁部で階段護岸が途切れ、散策路として連続していない。
  〈今後の課題〉
  ◇コンクリート護岸・階段護岸の緑化(ツタの植栽など)
  ◇係留施設の充実
  ◇昔の荷揚場や橋詰を活用した憩いの広場の再整備
  ◇川沿いの高木植栽(桜・柳など)
  ◇計画河床までの掘り下げ再検討(地下鉄が浅い位置にあるため)
  ◇階段護岸の連続性の確保

再生への提案
  水辺の再生が単なる親水利用にとどまることなく、その場所ならではの機能を持たせることにより、新しい時代における再生開発の意味を高める。
〈茅場町を中心に地下鉄と水上交通のターミナル構想〉
  亀島川を起点とした水上交通による観光ネットワークの提案
  利用者の足として認められる水上バス、水上タクシーの本格導入
〈まちの顔を川に向ける計画ルールの作成〉
  地域の中での容積移転の考え
  低層階部分の用途調整
  川に向けた壁面線のルール化
  〈国際観光を視点とした周辺地域の街づくり〉
  国際的な交流を誘発する街づくり
  日本文化・江戸文化へ誘う起点としての街づくり
  観光客のニーズに沿った新しい観光システムづくり

阿部氏の提案
  今世紀に入り、世界の経済レベルの向上に伴って、相互の国に向かって人が動くようになり交流が盛んになります。国際会議なども含めた広い意味での観光ですが、東京はニューヨーク、ロンドン、パリと並んで世界の四大都市といわれ、高い評価を得ています。しかしながら、日本に来訪する観光客は年間500万人強で世界的にも低いランクで、そのうち東京には半数以上来訪しますが、年間300万人弱で他の都市の半分にも及びません。
  東アジア諸国の経済成長が著しい時代における日本の次の経済要素は観光です。毎年1500万人が海外へ行くのに対し、せめて2010年には1000万人の旅行者を迎え入れようとする国の施策も示されていますが、観光産業は波及効果を加えますと、年間50兆円もの経済効果があるといわれています。
  このような世界的な評価を得ながら訪問客が少ない理由は何かといいますと、世界の多くの観光都市は歴史と文化が形になって残っていることで、訪ね歩いて雰囲気に浸ることができますが、東京は旧い街が残っていません。全てが新しくなっている魅力もありますが、よその国の文化こそ見たいものです。日本は世界的にも独自性に富んだ素晴らしい文化がありながら、日常的に接することが出来るものが多くありません。現代の中に伝統文化を融合させて披露し、案内誘導する新しい観光システムを構築する提案が必要です。
  東京の文化の原点は江戸に始まりますが、江戸は水の都でした。殆どの川は埋立てられて高速道路に変貌し、都心に残る川は日本橋川、神田川、亀島川だけになってしまい、それらの川も街にはそっぽを向いて寂しい現状です。
  亀島川はよく見れば地下鉄茅場町駅とJR八丁堀駅に接する交通の要所に位置する川です。ここに新東京オリンピック誘導の先駆けとして、水上交通システムのターミナルを導入しようとする提案です。水上交通は観光の大きな役割を持っていますから、この亀島川を起点として都心部にある江戸文化と現代文化が集積する観光エリアを結ぶことができることは重要で、観光をテーマにした国際的交流拠点として新しい機能を持った街をつくることができます。
  さらには、東京湾に面して開発されている数多くのベイエリアと新しい水上交通システムで結ぶことで、水上交通が観光アイテム(項目)に限ることなく日常的に利用され豊かな都心生活が満喫される仕掛けが出来上がります。しかもこの都心から羽田やミナトみらい21、ディズニーランドなど神奈川、千葉のウォーターフロントを直接結ぶ便利なアクセスルートを容易に出現するのです。
  もちろん他の地域に移りつつあるとはいえ、依然として茅場町は日本経済の中枢情報エリアとして重要な機能を持っていますから、国際的な金融のSOHO地区としての役割があります。
  そして水上交通システムの整備が加わって、都心部や臨海部の再開発に取り残され気味の八丁堀・新川・湊エリアが国際観光関連産業が興される適地として、新しい意味でのSOHO地区が形成されることを提案します。


 
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