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■ 2月27日発行  このページの先頭へ
築地市場移転に断固反対する会
「ビジョン」の実現めざす
「新しい築地をつくる会」に継承

 平成11年10月、築地市場移転に反対して中央区は10万6032人の署名を以って、「断固反対する会」を発足させた。築地はもとより飲食業界に市場・場外の業者も加わっての反対運動となった。しかし東京都は中央区の疑問提出にもまともに答えず、インフラ整備などを着々と進行するとともに、昨年は実施計画を決定。これに対して区は独自の築地ビジョンを発表したものの、都はテーブルにつこうとしないため、場外市場を中心に焦りの声が出ていた。そこで、区は改めて7つの疑問を都に提出したところ、石原知事の回答が寄せられ、これをもとにして「断固反対する会」の総会が17日に開催された。場外市場の関係者を中心に方針転換の意見が相次いで、古屋勝彦座長(会長)の「断固反対する会を解散して、新たに新しい築地をつくる会に移行する」との方針を承認した。同会の協議の内容をまとめた。

地域結束で「山を動かす」
 「断固反対する会」の総会で冒頭挨拶に立った古屋会長は、平成16年10月に中央区が発表した「築地ビジョン」に対して東京都は新市場の実施計画を発表し、24年開場を明らかにしたと経緯を説明し、「活性化への支援の取り組みを検討したい」と、開催の目的を説いた。
 矢田区長は、現在地再整備で平成5年に起工式をしながら移転を決めた東京都の対応と10万人をこす署名で反対する会を発足させた経過を説明したうえで、改めて7つの疑問を都にただして回答が寄せられたこと、地元で新たに協議会の発足したことを報告。立石都議は「ここに至って跡地ビジョンをいかにシフトして使命を達成していくかが本日の主題」と語った。
 区が、石原都知事の回答と場外市場活性化へのプラン、などについて説明をしたのち協議に入った。
 築地場外市場商店街振興組合の北島俊英理事長は、都が移転方針を決めたのちインフラ整備もふくめて計画を着々と進行している中で場外では不安が募っていること、さらに区のビジョンを実現するには現在の場外市場5ヘクタールでは足りず、都有地を使わなければならないこと、こうした実情から「断固反対の会」の存在理由はないと、場外市場業者の立場と考え方を説き、歴史ある再生めざして新たな運動の必要性を強調した。
 中央区環境衛生協会の潘桂華会長は、東京都が観光に力点をおきはじめたので、水辺の活用、大型駐車場の設置など、まちづくりビジョンを切り口にして都に示すことで、未来が見えてくると主張。
 築地6丁目町会の小林高光会長は、市場に元気がないし場外も中途半端な状況で、このままでは先が見えなくなるので、将来を見すえて希望を与えるよう、「真正面にテーブルにつくように」と方針転換の必要を説いた。
 築地4丁目町会を代表して岩間章氏は、地元の提案で120店が参加した銘店会で今は賑っているが、移転となると築地が大打撃を受けるので、築地が発展する方向にもっていってほしいと要望。
 共産党区議団の鞠子幹事長は、都の回答に区の示したビジョンには全くふれていないし、市場跡地を東京オリンピックに利用するなど、都の姿勢を厳しく批判。さらに今後の運動について「苦渋の選択の思いは深く受けとめるが、道理のある立場をとってこそ都と折衝することができる」として、会の方針転換には反対の立場を主張した。これに対して岩間氏は、「道理は結構だが現実を見てほしい。6年後に移転し、さあ明日からでは、我々は生活できない」と反論した。このあと区議団の植原(公明)青木(グループ未来)渡部(中央区民クラブ)幹事長から方針転換に賛成の意見が述べられ、自民党の今野幹事長から「意思の集約を」と提案。古屋座長が、「断固反対と言ってる限り区のビジョンは狙上にも乗らない」として、「断固反対する会は本日をもって終了して、『新しい築地を作る会』として再出発したい」との考えを示し、了承された。
 古屋座長は名橋日本橋の高速道撤去に見通しのつきつつあることにふれて、「地元がまとまれば山も動かす感じだ」と感想を述べて終了した。

石原知事の回答

新市場の土地確保
 豊洲地区において新市場用地を確保するためには、民間地権者から土地を取得することは不可欠であり、平成14年7月の民間地権者と東京都が締結した「豊洲地区開発整備に係る合意」において、築地市場の豊洲地区への移転について合意を行っている。
 豊洲新市場の購入予定地37.5ヘクタールについては、既に16年度に一部先行取得している。今後は、24年度の市場開拓が可能となるよう、土地区画整理事業の進捗に合わせ、保留地や仮換地後の地権者から順次取得していく。なお、防潮護岸を含んだ総面積は、約44ヘクタールとなる。

築地市場の跡地
 築地市場地域は、高い開発ポテンシャルとともに快適な水辺空間や豊かな緑の環境を有している。築地市場用地は豊洲市場移転に関わる費用等に充てるために売却するが、跡地利用については、この立地特性を十分生かし、都民全体の貴重な財産として東京のまちづくりに貢献するものとなるよう、今後、慎重に検討していきたい。

交通アクセス問題
 豊洲新市場への交通アクセスとして、地区の南北及び東西の骨格となる晴海通り延伸部、環状第2号線及び補助第315号線の整備を着実に進める。
 晴海通り延伸部については平成18年度に全線開通する予定である。環状第2号線については、27年度までに全線開通の予定であるが、豊洲新市場が開場する24年時点では暫定開通で対応する。なお、晴海から築地までの区間については、16年2月に都市計画変更素案説明会を行っており19年度の都市計画変更及び事業認可取得に向け、引き続き都市計画及びアクセス手続を進める。補助315号線のうち、新交通システム「ゆりかもめ」の豊洲延伸(有明〜豊洲間)に係る区間については17年度末までに開通する。

場外市場業者の問題
 豊洲新市場におけるにぎわいを創出する千客万来施設は民間事業者のノウハウを活用して整備することとしているが、整備にあたり、豊洲新市場へ移転を希望する場外市場業者の要望も視野に入れ、施設の内容、規模などの検討を行っていく。
 豊洲新市場においても、市場業者の健全な経営が確保されることは重要である。市場施設の建設経費や運営費は原則として市場業者の使用料で賄うが、適正な施設規模や効率的な整備・運営方法など様々な角度から事業費の削減に取り組むことにより、市場業者の負担の抑制を図る。

移転までの現市場
 豊洲新市場の開場までには相当期間を必要とし、この間も都民の台所としての現在の機能を維持するため、施設の再配置、売場の集約化や低温化など、物流の効率化、衛生対策、耐震改修工事等を行ってきた。
 今後も、第8次卸売市場整備計画に基づき、衛生対策、環境対策、老朽化施設の補修又は撤去、交通動線の改善等を行っていく。

土壌汚染の問題
 新市場予定地の土壌汚染については、汚染原因者である東京ガスの責任により処理を行う。
 東京ガスは、環境確保条例に定める汚染土壌処理基準の10倍を超える汚染土壌については、すべて処理基準以下となるよう処理する。また、10倍以下の汚染土壌についても、条例で定める土壌汚染対策指針に基づき用地全体を覆土し飛散を防止することとしていることから、安全性に問題はない。少なくとも盛土後の地盤高から4.5メートルの深さまではすべて処理基準以下とする。処理基準以下になっているかについては、環境大臣が指定する指定調査機関が調査をする。
 処理が適切に行われているかについては、東京都が確認を行う。これらの処理は、仮換地として地権者に引き渡されるとき又は保留地として処分されるときまでに完了することとしている。その後、中卸売市場は地権者から土地を取得する。

財源確保の問題
 豊洲新市場建設の財源については、築地市場跡地の売却費、企業債、国庫補助金等を充てる予定である。
 環状2号線や晴海通り延伸部、補助315号線等の幹線道路は、公共負担と開発負担により財源確保に努める。

 
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