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■ 7月24日発行  このページの先頭へ
環状2号線とオリンピック
区議会が都と質疑

 区議会が6月28日に開いた全員協議会で、オリンピック招致の計画と環状2号線の最終案を東京都が明らかにした。その計画内容については既報のとおり。都の説明に対して区議会の各会派を代表して7名の議員が都の担当者と質疑を交わした。各議員は東京都がこの間に中央区に対して示したトップダウン方式の都政運営を厳しく批判するとともに、特に晴海の清掃工場、築地市場の移転、さらに環状2号線の地下から地上方式に急転させたことへの独断専行を批判。都はしかし、環状2号線を「最善の案」と強調するとともに、都営住宅など総合的まちづくりを都立墨田工業高校の跡地利用も含めて検討する、環状3号線も合わせて具体化していくことなどを明らかにした。オリンピック絡みの「築地ビジョン」については今後の検討にゆだねられ答弁は不透明だった。なおグループ未来は質問しなかったが「質疑の機会はさらにある」との意向を示している。各議員の質疑内容をまとめた。

環状3号線の凍結は解除

中嶋 寛明議員
 清掃工場も市場の移転も都は「地域の信頼関係を構築する」と言いながら、自らの案をゴリ押ししてきたとして、地域の不信感を代弁した。環状2号線の地上化について都は「地域のポテンシャルに配慮した最善の案」と説明。
 勝どきまちづくりの今後をただしたところ、都は都営住宅の老朽化を説明するとともに「都立高校の跡地を活用した総合的まちづくりが必要」との認識を示した。かねてから要望の強いLRTについては「様ざまな可能性を含めて検討する」と約束。
 耐震性に問題ありとされた新島橋の架け替えの行方を質問。都は環2の延長から芝公園を結ぶ環状3号線は「27年度まで優先的に整備する路線」と説明、同線の凍結は平成16年3月に解除されていることを明らかにした。また新島橋は「今回の計画に含まれてないので区と調整したい」との意向を示した。

鷲頭 隆史議員
 築地市場跡地の環2を掘割にすることで敷地が分断され利用価値が下がると指摘。都は「幹線道路と直接ダイレクトに接続することが土地利用を高めることにつながる」との考え方を示した。
 中央区の示した築地ビジョンについて「整合性が感じられない。移転は6年後でオリンピックはその4年後。その間、築地をどうするのか。場外市場の人たちは生きていけなくなる」と質問。メディアセンターはオリンピックを開催すればこうなるとして書かせていただいたと説明し、4年の空白については「地元の賑わいを十分に勘案して施設整備をしたいと思っているので、今後の課題として受けとめている」と答えた。
 また豊洲大橋を3年後に開通すると晴海が混乱するとの指摘に都は、橋の完成で未開通も問題で「環状2号線の変更と時期をふまえて検討したい」と説明した。

田中 広一議員
 晴海スタジアム(10万人収容)の交通アクセスを質問。都は環状2号線と首都高晴海線の道路アクセスに加えて、「水上バスの活用による輸送力にも期待している」と説明し、工期については「JOCで決まるのは7年後なので、そこで改めて工期等を検討したい」と答えた。
 品川埠頭から土地代替地として晴海に2棟900戸のマンションが計画されてることに言及し住環境をどう考えているのかと質問。都は「5月の都計審で決定した。スタジアム等がマンションに影響ないようにする」と説明。
 築地の今後について地元は鮮魚マーケットを生命線としていると質問。しかし都は、「いろんな調整事項があるので早期を前提に検討する」の答弁にとどまった。
 メディアセンターは民間で建設して、跡地は開発業者がまちづくり貢献として活用すると、都は説明した。

志村 孝美議員
 「用地取得に金はかからないと言っているが、晴海は臨海開発事業会計、築地の予定地は市場会計が主流で、これを一般会計で買いとると7,000億円かかるといわれている」と言及。都は「両会計の土地売却方針は聞いているが、これを一般会計で買うとは私どもとして決めてはいない」と答弁。
 オリンピックの基本方針で「都市と社会の変革」を掲げていることについて「大型開発をオリンピックを利用して推進するもの」と断定。都は「オリンピックのために道路を作ることは考えていない」と説明した。
 さらに「石原知事の差別や偏見、好戦的発言は平和の祭典を開く首都にふさわしくない」と質問。都は「オリンピック開催には様々なハードルや調整事項をのり切っていくには強いリーダーシップが是非とも必要なものと考えている」と答えた。

田辺 七郎議員
 環状2号線について、(1)資料の提示が不十分、(2)中央区と協議して合意の上なのか、(3)都の案に中央区は賛成しているのかと質問。都は(1)現時点での考え方をわかりやすい資料として示した、(2)様ざまな意見を参考にした、(3)中央区には是非とも賛同してほしい、と答えた。
 虎の門は地下にしてトンネルで来たものをまた地上にあげることと、日本橋上空の高速道撤去と整合性がないではないかと指摘。都は「一般道路の整備と高速道路では性格が違う」と説明した。
 2車線を6車線にすることで環境を壊し町を分断し「緑地帯も示されていない」と主張し、道路面積と工事費についてただした。都は、通過交通量は6万台で高架で地域に影響を与えずすぐれた案、道路は拡幅しているが面積の正確な数字は持ちあわせてない、地下方式だと1,600百億円、と答えた。

渡部 博年議員
 豊・晴計画で晴海5丁目を国際ゾーンとしていることに言及。都は「港湾局とも大きなコンセプトとしては変りない」と説明した。
 環状2号線で臨港消防署の移転先がメーンスタジアムによって不可能になったことについて都の対応を質問。都は「大変きびしいが晴海の別の所を考えたい」と答弁。また中央区のグラウンド使用にも言及したが、都は「具体的にはこれから検討していく」の答弁にとどまった。
 築地市場は中央区の屋台骨で、オリンピックの前にやらないと町おこしにならない」として区の構想の行方を質問した。都は「地元の意向を大切にしたい。オリンピック後も都の貴重な財産なので調整をはかりたい」「市場の用地は売却が前提だが、まちづくりをどう誘導していくかについて区の意見をうかがうスタンスはもっていきたい」と答えた。

田村 宏議員
 「初めから結論ありきの印象がつよい」としたうえで、(1)地上化で1,300億カットは安いのか高いのか、(2)地元の賛同が必要というが地元は賛同しがたいの声が高い、と質問した。都は(1)事業費だけでなく防災や土地利用から最善の策として提示した。(2)全線14キロのうち骨格となる2キロは地元の理解を得るようにしたい、と答えた。この答弁に、「認識のギャップがある、地上化は町を分断するし、環境にとっても好ましいものではない」と主張し、アメとムチによる都の地元対応についても批判をした。

議長が都に要望

 全員協議会の質疑が終了したのち、司会をつとめた神林議長が次のように東京都に要望した「中央区への影響が大きく、不明な点や確認すること検討することなど多々ある。東京都は地元区に対して、速やかで積極的な情報開示をしていただきたい」

 
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