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■ 4月16日発行  このページの先頭へ
新しい文化財2件
八丁堀の「こけら経」
平野「活版印刷機」
 中央区教育委員会は1日付で新たに「中央区民文化財」2件を登録すると決めた。新しい文化財は、八丁堀3丁目の第2次遺跡(朗惶寺跡)から出土した「こけら経」、平野活版所製造の活版印刷機の2件。これにより中央区民文化財の登録件数は、82件となる。

こけら経
 81番目の文化財は、平成13年に実施された八丁堀3丁目20番の発掘調査で出土した、江戸時代後期における日蓮宗興栄山「朗惶寺」のこけら経一巻。こけら経は、鉋(かんな)などで薄く削り出した木片に書写した経典で死者や自らの冥福を祈る供養に際し、造塔と写経の功徳を一度に得るために造る。発掘されたものは、1枚づつ写経され、これが約4千枚束ねて巻かれた状態にあった。
 こけら経は、原則1枚に1行17文字詰めで書写され、1枚ずつの形態は頭部を三角に切り出し、いわば塔の形態を模している。今回の出土品もほぼこの原則どおりで、法華経が書き写されている。一部に「日清13年忌菩提也」と墨書されており、慶長15年(1610)に追善供養のために写経されたものと考えられる。また、出土資料としては最も長く、最も薄い。
 江戸の御府内に相当する地域において、近世前期の寺墓が発掘された例は極めて少ない。また、こけら経が「巻」の状態で出土したのは全国的にも稀な例であり、さらに近世では他に例をみない貴重なもの。加えて、当時の日本の中心的な地域における信仰のあり方を考えるうえでも貴重な資料という。
 なお発掘資料は、晴海1-4-1の文化財倉庫に保管されている。

活版印刷機
 ミズノ・プリンティング・ミュージアム(入船2-9-2)に展示されている第82号文化財は、明治初期にイギリスから輸入されたアルビオンプレスという手引き印刷機(ハンドプレス)を模して平野活版製造所が製造した国産の活版印刷機。
 平野活版製造所(後の築地活版製造所)は明治6年、平野富士によって築地に設立された。平野は、その師の本木昌造とともに、日本の近代活版印刷の嚆矢として知られている。
 アルビオンプレス型の手引き印刷機は、明治期盛んに用いられたものの、国産で現存しているものは僅かであり、特に、明治初期の平野活版製造所製の印刷機は、この資料が確認されているだけ。
 明治期以降、本区域には印刷所が数多く立地しており、現在においても印刷業は本区を代表する産業の一つ。この活版印刷機は、日本の印刷文化を伝える貴重な産業遺産といえる。
 問合せ=図書文化財郷土天文館TEL3546-5537まで。
 
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