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■ 10月8日発行  このページの先頭へ
産学官コラボの新展開
 日本橋問屋街の活性化事業として横山町奉仕会館の4階に活性化シンボルとなる新しい空間が誕生した。名称は、サローネ ウーノ。東京理科大学の宇野求教授の監修で、「新進若手デザイナーのインキュベーター(孵化器)としての機能を持ち、作品発表の場を提供し、世界に雄飛さすべく応援するための空間」と紹介されている。花鳥風月と名づけた4つの部屋(仕切り自由)から成って会議室としても利用できる。床は松の木を活用。このオープンを記念して9月25日に若手デザイナーによるファッションショー、27日には宇野教授が「日本橋の都市空間と問屋街」のテーマで講演し、祝賀会も開催した。来賓で列席した矢田区長は「産学官のコラボレーションの成果」として新しい空間を拠点としての問屋街の活性化に期待をこめた。昭和41年建築の奉仕会館のリノベーションに地元の関心も高い。宇野教授の講演をまとめた。

「活性化シンボル」誕生
横山町奉仕会館の4階

 先日、上海に行ったが、次々と建てられていくビルには日本の高い技術が導入され実現しているが、こうしたビルが40年後にどういうことになっているのかと思うと考えさせられることが多い。
 私が日本橋を見たとき、浜離宮から隅田川に沿ってを緑地帯とする「ライトシティ東京」という構想を抱いた。学生たちと二年間、勉強会を開いたが、ドイツの学生は「川面に向けて町を作り直す」、ポルトガルの学生は「街並みを大切にする」などと主張して皆んなで絵を描いた。
 江戸発展の推進力になったのは川、運河といった水運の便で、日本橋はそのセンターだった。しかも川の周囲には緑があった。そして東海道、奥州街道、中山道の起点でもあった。
 江戸から今日まで東京は400年の年月を要して作られてきた。町はいっぺんには作れない。「長い時間をかけて」、「部分部分から」作るものであり、また町は広域交通の形態で大きく変わる。江戸の町は関東大震災で壊滅したが帝都復興で生れ変わった。
 韓国のソウルでは中心を流れる川の上に高速道路が走っていたが市長の勇断でこれをとり払い自然をとり戻し、周辺を公園にした。古い街のパリは土日曜は休みだが、街並みに沿い店を出す例が多くなり新たな観光スポットとなっている。
 日本橋には400年かけないと出来ないものが沢山あり、質の高いものを提供することが重要だ。奉仕会館の前の通りが奥州街道であり、浅草橋の空間に新しいゲートを作ることで新たな町のシンボルになり得る。
 日本橋には、志ある若者を一人前に育てる空気があり、新しい商売を良しとする空気がある。
 町の質(クオリティ)で勝負できる町だ。レトロでなくオリジナリティで勝負することが必要で、遅れているデジタル化を急ぎ、この町から他の町、世界へ発信していく努力に期待したい。
 
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