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■ 1月21日発行  このページの先頭へ
矢田区長に新春インタビュー
 新年の恒例行事「賀詞交換会」で挨拶に立った矢田区長は、今年が明治維新から140年の節目であるとして、先人の英知と努力に敬意を示すとともに、戦争など反省すべきは反省し、先人の努力を尊(たっと)び、世界平和に邁進したい、との新年の決意を明らかにした。また暮には「10年後の中央区」を明らかにし、人口10万都市中央区の実施計画も示した。そこで今年の具体的な区政の課題について本紙は矢田区長に新春インタビューをした。質問は次の10項目。(1)豊洲の土壌汚染と今後の対応、(2)東京オリンピックの最大関心事である交通アクセスへの対応、(3)旧労働スクエア跡地の活用の進捗状況について、(4)団塊の世代など高齢者の再雇用と第二の人生についての検討状況、(5)街の景観をめぐる今後の対応策、(6)人形町保育園の高架橋計画、(7)小規模校の維持対策の今後、(8)コミュニティバスの行方、(9)新しい文化の創造について、(10)区長の上海訪問の目的と今後。それぞれの答弁の要旨をまとめた。

豊洲土壌汚染の行方
 区が策定した「10年後の中央区」は、築地市場の移転と東京オリンピックを不確定要素としています。市場の移転については石原知事は「適地は豊洲だけ」と主張しており、豊洲の土壌汚染で現在地の再整備論議が再燃しています。このあたり、どう考えますか。
 「石原知事は『適地は豊洲だけ』と主張していますが、築地市場の歴史性や担っている重要な役割、さらには交通機関が発達している都心に位置する利便性からも、現在地に位置することが最適と考えております。ただ地元に責任を有する基礎的自治体として、万が一も想定していますが、決して移転を容認した訳ではございません。豊洲における土壌汚染に関しては、本区は平成14年以来『七つの疑問』の1つとして、食の安全を脅かす可能性のある土壌汚染の問題を東京都に質してまいりました。なんといっても食の安全・安心が第一であります。本区としては、専門家会議の検証・提言、これに対する東京都の対応も含めて十分に説明を受け、その上で区議会・関係者の意見を聞いて対応したい」
 立石都議が月刊「東卸」に寄せたコメント(別掲)についてはどう思われますか。
 「食の安全が第一」については全く同感で、また「築地ブランド」は一朝一夕で出来たものではなく市場内外が協力して守っていく価値あるものと考えています」

東京五輪の交通対策
 東京オリンピックについては、晴海・勝どきへの交通アクセスについて区民の不安が意外に強いようです。今後、区はどう対応しますか。
 「昨年11月、東京オリンピック招致委員会が基本計画を公表しました。10万人規模のスタジアムのある晴海への交通アクセスは、既存の勝どき駅を改良し、駅へのアクセスを改善すること、およびBRT(バス高速輸送システム)や臨時バスの運行の2点であります。オリンピックにはスムーズな移動の確保こそ第一のおもてなしですし、晴海、勝どき、月島は都心と臨海部を結ぶ中間に位置し、中長期的なまちづくりも視野に入れた交通システムの整備が必要と考えています。そうした面から現在の計画は、地下鉄など大量輸送機関の整備を欠いた不十分な内容であり、その旨を東京都に申し入れしました。オリンピックはスポーツを通じて世界中の人々が友好親善と相互理解を深め、世界平和の実現に寄与する人類最大のスポーツの祭典です。また、次世代の若者に夢と希望を与え、まちに活力をもたらすことから大いに歓迎すべきものと思います。しかしながら、スタジアム建設や交通アクセスなど、本区まちづくりに影響も大きいので、適切に対処していきます」

労働スクエアの跡地
 旧労働スクエアの跡地について、都は独自の活用予定もあると聞きますが、このあたりをふくめて、いつごろ結論が出るのでしょうか。
 「この跡地は八丁堀駅前に位置する都心の一等地であるとともに、6,000平方メートルを超える中央区に残された貴重な公有地であります。定住人口10万を達成した中央区の新たな行政需要に対応していくため、京橋図書館の移転整備をはじめ、高令者の生きがいや健康増進、地域防災、環境情報の発進、男女共同参画などの区民活動を推進する多機能型拠点施設の整備を計画しています。また、建物の周囲には、まとまった緑地を確保し、防災拠点や区民の憩いの場としても活用していきたいと考えています。この跡地については、区議会や区民から強い意見が再三再四にわたり寄せられています。このため昨年11月に土地の取得について東京都に要望書を提出しました。都は、土地の売却の条件整備や都自身による土地の一部利用を検討であるものの、早急に都の計画と調整をはかり、早期の土地の取得に努めてまいりたい」

高齢者の「人生選択」
 団塊の世代の退職が始まり、高齢者の再雇用、第2の人生の選択がクローズアップされていますが、区としてどう方策を検討していますか。
 「昨年から団塊世代の定年退職が本格化し、これまで地域とのかかわりが希薄であった人々が大勢地域に戻ってくることが予想され、こうした人々の就労や社会参加など地域での受け皿づくりが求められています。区では一人ひとりの高齢者が自らの能力や知識、経験や価値感などを生かし、末永く地域で充実した人生を送っていただけるように『生涯活動 いきいき社会の実現』と、高齢者は支えられる存在であるという固定観念から脱し『高齢者は社会を支える貴重な人材である』という新たな考えに基づき、働く意欲のある高齢者が自立して安心して生活できる活力ある社会を目指した『70歳就労社会の実現』を推進します」

街並の景観維持対策
 区内に相次ぐマンションと再開発による超高層ビルの出現に、区民の間には街の景観から区の指導を求める要望がつよいようですが、このあたりについて区はどんな検討をしていますか。
 「街の景観になじまないマンションや超高層建物、さらには区内でも多く見られる派手な色づかいの看板などは、風格あるまちづくりの観点からも区と地元が協議の上で計画段階から対応しなければと考えます。平成18年10月、銀座地区では約3年の協議で、建物の最高高さについての地区計画の規定の見直しをしました。さらに日本橋・東京駅前地区でも幹線道路沿いの高さについて協議を進めています。また日本橋の首都高速道撤去で国が検討している容積率移転の手法について、日本橋川の河岸の空地化にとどめず汎用性のある制度を働きかけています。そうすれば月島西仲通りの街並みを保存、隅田川や清澄通りは高層化に、と現状の街並みを活かすことができます。今後、区が一方的に基準化することなく、地元の協議により適切に取り組んでいきます」

人形町保育園「高架橋」
 景観の立場から、人形町保育園の建て直しで8メートル道路を渡る高架橋が計画されていますが、路地をつなぐ道路からして下町人形町にミスマッチという声が出ています。どう考えますか
 「この通路は保育園と区民館跡地の駐輪場屋上の園庭を結ぶもので、小さなお子さんが安全に安心して外遊びできるよう計画したものです。計画案は整備方法もふくめ引き続き検討しており、具体的内容はご指摘の景観の視点をふくめ、今後、地域住民の意見をうかがい検討してまいります」

小規模校の維持対策
 小学校を廃校にしない方針と同時に、順次建て替えていく計画も検討しています。ところが児童の少ない学区域の学校をどう維持していくのか、いまだ不明です。どう対応しますか。
 「教育の中央区学校づくり検討会で試案をまとめ6校の地域協議会での意見をいただき対策を練っているところです。試案の対策は3つです。最初は保護者が希望すればその小規模に就学できる通学区域の弾力化を進める制度です。次に、就学したいと思う学校づくりをしっかり行うこと。より質の高い教育を提供して、より分かり易い先進的な授業を開発し、学力だけでなく豊かで多様な人間関係、経験を通じて社会性や豊かな感性を育くめる学校のネットワークを提案しています。最後に、通学しやすい環境づくり、スクールバスなどで、より選択しやすくすることです。これらは中央区全体の教育環境と質を向上させるものでなければなりません。検討会では今年の3月までに報告書をまとめる予定です。大切な教育資源である16校を維持し、信頼される小学校にします」

コミュニティバスの行方
 新しい住民から、月島・京橋・日本橋を結ぶ交通アクセスの要望が強いようです。コミュニティバスの検討はどうなっていますか。
 「区内にはJRが4駅地下鉄駅が24駅、バス路線が16系統と他区に比べ公共交通は充実しています。その一方で区民の日常の足となる公共交通手段が不足している区域もあります。そこで平成19年度に実現性の高い交通手段の検討など、コミュニティバスを含めた調査を実施しています。区民へのアンケート調査もして、今年3月までに方向性をまとめます。コミュニティバスには運行経路や他の公共交通との役割分担、適切な需要確保、採算性や事業主体の検討などの課題があります。そこで新年度には地域協議会を設置して具体的な運行経路など検討し、21年度早々に導入します」

新しい文化創造を準備
 中央区は歴史と伝統でストックされた文化の地域ですが、新住民は新しい文化の刺激を求めているようです。これに応える検討をしてますか。
 「定住人口10万を達成し、中央区に以前から住まわれている方々と新しく住まわれた方々が、中央区の豊かな文化を通じて心豊かな生活を実現し地域への愛着心を共有できるコミュニティを作っていくことが大切と考えております。昨年7月に文化振興懇談会を設置して、この3月には文化振興のグランドデザインとも言うべき中央区文化振興プランの提言を受けることになっています。中央区まるごとミュージアムとの方針のもとに、区内全域で豊かな文化を継承しつつその魅力を高め、文化活動を大いに盛りあげてまいりたい」

上海市黄浦区との友好
 区長は昨年、上海を訪問していますが、その目的と北京オリンピックを含めた今後の方向をお聞かせ下さい。
 「昨年9月に開催された中央区文化・ブランド展示会は区内中小企業の中国進出や宣伝を目的とし、上海市黄浦区(こうほく)の協力で行われたものです。主催は昭和西川の西川惠社長が会長をつとめる中央区日中友好推進委員会で区と東京商工会議所が協力しました。私も同行し協力いただいた黄浦区を表敬訪問しました。11月には黄浦区から副区長ら六名が来日し本区を表敬訪問しました。今後も中小企業を支援する立場から対応します。北京オリンピックについてはアジアでの開催で成功を願っています」
 
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