浅草線の東京駅接着 再開発と一体で

 都営地下鉄「浅草線」を東京駅に接着させる構想とは次のとおり。
既設都営浅草線(昭和通り下)の宝町駅北側および日本橋駅南側から分岐し、東京駅に乗入れる延長1.6キロメートルの分岐線を新設する構想。主要なターミナルである東京駅と成田・羽田の両空港が直結され、空港へのアクセス時間の大幅な短縮をはかろうというもの。
 平成13年11月に国土交通省、東京都、中央区、鉄道事業者などで構成する「都営浅草線東京駅接着等の事業化推進に関する検討会」が発足した。そこで都営浅草線の東京駅接着および追い抜き線新線の整備方法について検討したところ、5月29日、次の3つの有力案が示された。3案ともに「蔵前駅追い抜き施設」の新設については共通している。
 <八重洲通り案>東京駅に直結。八重洲通りの地下を通って東京駅と結ぶ。
 <再開発一体整備案>東京駅に直結。東京駅前南地区の再開発と一体で浅草線の接着構想を具体化する。
 <簡易な接着案>ピープルムーバーで結ぶ。このピープルムーバーとは、八重洲通り地下に空港内移動シャトルサービスのようなものを想定。再開発が実施された場合には同地区内に地下式や高架式による簡易な歩行施設を設置することも考えられる。
 この3案について検討会は「再開発一体整備案が、八重洲地区の都市再生に与えるインパクトが大きく、最も有力な案である」との結論を出した。なお、簡易な接着案については「再開発一体整備案の実現可能性を見きわめつつ検討の深度化を図る」、八重洲通り案については「将来の可能性をのこしておく」としている。つまりこうした3案の行方は「中央区が進める再開発の動向」によっては流動的ということでもある。