東京駅前開発、京橋で具体化

 2003年問題で区内のバブル時代に建てられた貸ビルを中心に大きな打撃を受けている。長年住んできた人たちが余生の収入の道をとざされるなど地域への影響も少なくない。さらに長引く不況で中央区の表玄関、東京駅前も状況は深刻で、夜になると外国女性の客引きがまかりとおっていて、評判になっている。このため地元には再開発を望む声も少なくない。その一方で、東京駅の改造計画が具体化して、2つの超高層ビルの工事も始まろうとしている。丸の内側の再開発が先行していることと合わせて、東京駅前開発へのいらだちも出始めている。すでにブロックごとの研究・協議がすすめられている中で、京橋2丁目西地区が再開発に向けての組織をたちあげて注目されている。区主導の組合方式ではなくて、町会が中心になって協議会を具体化させたもので、今後の方向性に関心が集まっている。

来年3月に計画立案へ


 京橋2丁目西地区で再開発の対象となっている所は、中央通りと柳通りのはさまれた街区のうち、鍛冶橋通りの一本裏通りから旧千代田生命横の通りまで。東洋インキ、明治屋などと飲食も内側の通りに軒をつらねている。
 7月3日に再生協議会の設立総会が開かれ、規約と役員を決定している。
 規約の目的には「中央区の協力を得つつ調査・研究を行い、関係権利者の意向を確認尊重しながら、町会員・本地区権利者一人ひとりのための市街地再開発事業の成立性等の協議・検証を行う」としている。
 役員については理事会のシステムをとり、理事長に大津冨士男氏、副理事長には安藤潔氏と山本一彦氏が選出された。
 また平成15年度の活動計画については再開発に向けて、(1)建設計画(2)資金計画(3)経営計画を協議して立案していくことが確認された。
 10月に第2回総会を開いてこれら三つの計画立案についての中間報告(計画素案)を提出して協議をし、来年3月には都市計画を射程に入れての事業計画素案をまとめていく方向をとっている。

再生協議会趣意


 都市空洞化が進んでいた都心に今、超高層ビル建設ラッシュが起こり、2003年問題、さらには2010年問題も指摘されております。
 また、近隣地区では首都高速道路の架け替えや都営地下鉄浅草線の東京駅接着などの構想も公表されております。このような状況の下、昨年10月〜12月に区側より実施された権利者ヒアリングでも全体権利者の9割を越える方々からヒアリングできたことは、権利者の方々の地域再生への関心の高さを伺わせます。
 そこで本年4月23日、京橋2丁目西町会では緊急役員会を開き、従来の区側主導の組合ではなく、町会員の皆様の声にもとづいた町会主導の協議会を設立しようということになりました。即ち、周辺地域と調和のとれた当地区の再生につき、区側の協力を得つつ調査・研究を行い、関係権利者の意向を確認しながら、市街地再開発事業の成立性等を検証することを目的として、町会員・本地区権利者一人ひとりのための地区再生協議会設立を提案いたします。