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日本橋OLインタビュー

HOME > 日本橋OLインタビュー > 株式会社榮太樓總本鋪 大場美貴さん
日本橋美人新聞No.6冬春号(2006―2007年)掲載
美人は日本橋で創られる

株式会社榮太樓總本鋪 大場美貴さん

 
インタビューアー:山田 晃子
日本橋美人提唱者
日本橋OLクラブ部会長
ヤマダクリエイティブ代表取締役

永遠に愛される『日本橋美人商品』の探究

山田 今日は、株式会社榮太樓總本鋪にお勤めの大場美貴さんをお招きして、日本橋と日本橋美人についてお話を伺います。
大場 私は入社以来18年ほど販売の業務に携わった後、1990年からMD課で、女性の声を生かすために企画開発に携わりました。それまで男性社員が中心だった企画部門で、女性のニーズを新商品に反映する機会を与えられたことは貴重な経験でした。「日本橋OLクラブ」に参加したのも、社外の女性の声をマーケティングに生かしたいという思いからです。
山田 御社は今年(2007年)で創業150周年を迎えられるそうですが、記念事業を何かお考えになられていらっしゃいますか。
大場 弊社は、江戸末期の安政4(1857)年の創業で、三代目の細田安兵衛(幼名栄太郎)が現在の日本橋本店のある場所に、それまでの日本橋魚河岸の屋台販売を畳み独立店舗を開いたのが始まりです。
この創業時から受け継がれてきた味を「名代金鍔」や「梅ぼ志飴」などは、今に伝えているといえます。
毎年4月29日前後には「創業祭」として、日本橋本店で午後2時からからみ餅と餡餅のふるまいのサービスを行ったり、粗品を進呈するなどしておりますが、今年はこれに合わせて創業150周年の記念イベントも開催する予定です。
また創業150年に先がけて「日本橋美人飴 さくら」を発売しました。「日本橋美人」の「心も身体も美しく」というコンセプトに基づいて開発した飴は、年間を通して販売する飴としては約20年ぶりの新商品で、日本橋本店での限定販売です。
山田 私たち「日本橋OLクラブ」のメンバーも1年程前から試作のお手伝いをしてきましたが、製造に関わる秘話などをお聞かせください。 
大場 現在販売されている榮太樓飴は、水飴よりも砂糖の量が多い有平糖で、砂糖純度が高いのが特長です。飴を嘗めていると口の中が痛くなった…という経験をなさった方も多いと思いますが、榮太樓飴は口の中が痛くならないところに飴の品質の高さがあります。しかしながら「日本橋美人飴 さくら」の最初の試作品にフリーズドライの桜の花びらを入れたところ「日本橋OLクラブ」のメンバーから「せっかくの上質な飴も、フリーズドライのせいで口の中が痛くなるとしたら、百年先に残らないのでは?」というご意見があり、思わず「はっ」としました。それをきっかけに「百年先まで永く愛される飴を作りたい」という思いを胸に、生の声を製造現場にいかに伝えるかに努力いたしました。
「日本橋美人飴 さくら」は、伝統の味を生かしつつ、従来の榮太樓飴にはなかった酸味を入れました。1粒にクエン酸とレモン約1個分のビタミンCを入れ、すっきりした味に仕上げ、伝統を超えた新鮮な味わいを出すことに成功しました。実際に召し上がったお客様からは「さっぱりして美味しいですね」という声が多く聞かれ、女性だけでなく、飴や酸っぱいものが苦手な男性にも大好評です。
山田 抗酸化作用や美肌効果も期待でき、リフレッシュやストレス解消にも役立つので、まさに日本橋美人度アップに最適な商品といえますね。味もさることながら飴の色あいも、春になると日本橋界隈の通りを華やかに彩るソメイヨシノを思わせる上品なさくら色ですが。
大場 実は飴の味を決める前に「日本橋美人」のイメージカラーであり、日本人の好きなさくら色の飴にしたいと思っていました。ですから、このさくら色が見えるように個包装を透明にしました。これは店頭でも映えるので、お客様からの反響も高いようです。

おもてなしの心が美を磨く

山田 ところで、年始に店頭で「獅子舞」などをされていると伺いましたが、歴史ある老舗ならではの風習ですね。
大場 江戸町人は、あまりしきたりを自らひけらかさない嗜みがあり、現在も特に宣伝はしていません。毎年正月4日に「江戸太神楽・獅子舞厄払い」が日本橋本店で行われてきたようです。江戸太神楽を家芸とする「丸一 鏡味小仙」の一座によって、曲芸や寸劇、どんつく、獅子舞による厄払いが、店員や工員の前で演じられる風習があり、現在も正月4日には厄払いの獅子舞が店内などを廻ります。
山田 まさに、粋なはからいと言えますね。また、お客様へのおもてなしの一環ともいえる「榮太樓ミニギャラリー」の展示は、私たちの目を楽しませてくれますが。
大場 本店改装時の2001年4月にオープンした「榮太樓ミニギャラリー」では、お菓子に欠かせない茶道具を展示しております。江戸の茶道の粋を体感していただけるよう、月替わりで季節に合わせた展示を行っています。

「日本橋美人―Japan Beauty from Edo-Tokyo」とは?

山田 食に関わるお仕事をしていらっしゃる大場さんの日本橋お勧めメニューをお聞かせください。
大場 ランチでは「トノー」という南欧食堂がお気に入りです。十数席の小さなお店ですが、味がよく、さりげない気配りも魅力です。
弊社の日本橋本店内にある喫茶室「雪月花」の「お赤飯弁当」は、自慢の逸品です。菓子屋としてこだわったささげやもち米を厳選していますのでぜひ召し上がっていただきたいですね。また、水を使わず梅から抽出したエキスのみをソーダで割った「梅ソーダ」もお勧めです。5月中旬〜8月中旬頃には「梅の露」という原液も販売いたしますのでお試しください。
山田 梅は多様な有機酸、ビタミンやミネラルを持つ「医者いらず」の役割を果たしていると言われていますが、健康面で気をつけていらっしゃることはありますか?
大場 仕事が忙しいので、日常生活の中でちょっとした工夫をしています。例えば野菜中心の食事や、エレベーターではなく階段を利用しまめに歩くようにするなど、できる範囲で気遣っています。
山田 大場さんがイメージされる「日本橋美人」とは、どのようなイメージですか?
大場 気配りができる女性ですね。当たり前のことを当たり前に行うことは頭では理解していても、案外難しいことが多いものですが、それを笑顔でできる人は素敵ですよね。やはり気質が美人なのが「日本橋美人」ではないでしょうか。
山田 ちょっとした気配りは、周囲を和やかにしてくれますよね。それはこの日本橋を訪れる人たちに「おもてなしの心を大切にする」ことにも通じると思います。伝統と新しさが息づく日本橋という街で、私たちもこまやかな気配りのできる「日本橋美人」を目指し心身ともに磨きをかけて、輝いていきたいですね。

撮影協力:ロイヤルパークホテル
        榮太樓總本鋪
着付協力:花影きもの塾
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