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日本橋トップインタビュー

HOME > 日本橋トップインタビュー >神田神社宮司 大鳥居 信史
第5回EDO ART EXPO公式ガイドブック掲載
美人は日本橋で創られる

神田神社宮司 大鳥居 信史

 
インタビューアー:山田 晃子
EDO ART EXPO 総合プロデューサー
日本橋美人推進協議会プロデューサー
(特非)東京中央ネット副理事長
(株)ヤマダクリエイティブ代表取締役ほか

 


大鳥居信史(おおとりいのぶふみ)
國學院大學文学部文学科卒業。
明治神宮に奉職後、神田神社に移り昭和62 年より宮司。
(学)熊野学園理事長、
(財)神道文化会評議員、
(学)國學院大學評議員、
(社)日本国際青年文化協会監事、 東京都神社庁顧問ほか

  山田 「第5回EDO ART EXPO」の開催を記念して「神田神社(明神)」の大鳥居信史宮司に江戸から続く伝統や文化、魅力についてお話をお伺います。「神田明神」は、江戸時代を通じ「江戸総鎮守」として幕府から庶民に至るまで崇敬され続けました。明治政府の施策により神田神社に改称された後も「明神さま」と呼ばれ、私たちにとって身近な神社です。
大鳥居 社伝によると、天平二(七三〇)年に出雲氏族の真神田臣まかんだおみがご祖先の大己貴命(別名・大国主命)をご祭神として、現在の千代田区大手町に創建されました。元和二(一六一六)年には、徳川家康により江戸城の表鬼門守護の場所にあたる現在の地に遷座し、御社殿を造営しました。以来、江戸東京を見守ってまいりましたが、神社の役割は今も昔も変わっておりません。
 神社は、五穀豊穣、産業発展を祈念し地域の守り神としての役割を担うと共に、その土地に生まれ育った人々の幸福と安全を守り、その務めに尽力することが大切です。
 更に申し上げれば、先人たちが造り上げた歴史や芸能などの有形、無形の伝統文化を継承する役割も担っていると考えます。当社は、国学や江戸千家の発祥の地でもあり、芸能では神田囃子、太々神楽、神事能・勧進能の伝承発展にも努めています。
山田 国登録有形文化財に登録された荘厳な御社殿も含めて、境内には多くの文化財があり、まるごと博物館という印象がございます。「日本橋美人博覧会」は、今年で5回目を迎え「EDO ART EXPO」に生まれ変わりました。江戸をテーマに伝統技術や歴史、美意識などに関わる展示を中央区、千代田区、港区、墨田区の名店、企業、ホテルや文化・観光施設などの既存の建物をパビリオンに見立てて開催します。「江戸の美意識」に関する所蔵品をもつ美術館、博物館、ギャラリーなどが「関連展示会場」となり「神田明神資料館」もその一つとしてご参画され、期間限定の特別展示をしていただける様ですが。
大鳥居 当社では江戸の文化を後世に伝えるために、神田神社と「神田祭」の歴史や江戸東京の文化に関わる資料、絵巻、古文書、浮世絵などを中心に蒐集を行っています。この機会に収蔵作品の一部を、多くの皆さまにご覧いただくことで、本博覧会のテーマ「江戸の美意識」を再発見していただければ幸甚です。
山田 「江戸の美意識」についてどのようなお考えをお持ちですか。

 

大鳥居 私は「江戸の美意識」というものを、江戸時代より今日に伝えられている「祭礼文化」の中に見ることができると思います。日本三大祭、江戸三大祭のひとつに数えられる神田祭は、江戸時代には城内に参内が許され上覧があったことから、江戸庶民からは「天下祭」と称されるようになりました。
 神田祭は氏子にとって準備から後片付けに至るまで、共同作業で行われる地域社会の最大イベントです。その姿には、本来の日本人が持つ「絆」と「団結」が見られ、大きな魅力を感じます。
山田 今回の主要展示品の一つ「御祭礼(三代歌川豊国作)」を拝見すると、神田祭が江戸の人々にとって、いかに高揚する盛大な祭礼であったかが伝わってきます。
 神田祭では、一〇八町会の氏子が繰り出す二〇〇基以上の御輿と、一〇〇基に及ぶ「神輿宮入」で、都心が活気に包まれます。時代を経るごとに、その姿も変貌してきたようですね。
大鳥居 伝統やしきたりに捉われず、新たな創意工夫を行うのが江戸っ子の真骨頂ではないでしょうか。神田祭では「附け祭」や「御雇祭おやといまつり」などの賑やかな行列で江戸の祭礼絵巻を再現しようという試みの一方で、東京芸術大学の学生らによる趣向を凝らした「大きな張りぼての曳き物」や「学生サンバ踊り」など、新な試みも広く受け入れています。祭というものは、人々が作り上げたものを発表する機会で、一過性に終わらないもののみが伝統として残っていくのではないでしょうか。
山田 古いものを継承するのみならず、その時代に即した新しいものを取り入れていくということは、新たな歴史を創っていくという事でございますね。そういう意味では「EDO ART EXPO」も、その一歩を踏み出したところです
大鳥居 EDO ART EXPO」を通じて、江戸の伝統文化の魅力を来訪者に知っていただくことは、貴重な機会だと考えておりますので、当社でもできる限りのご協力をしたいと思います。
ファッションポイント
自然との融合・共存を大切にする日本の伝統文化に鑑み、立体駐車場の上に造園された屋上庭園は、四季折々の花木を鑑賞できる回遊式の庭園。参詣者に心地よい安らぎと癒しを与えてくれる「鎮守の杜」です。

撮影協力:神田神社
撮影:吉川信之
着付け:花影きもの塾
衣装協力:和Beauty HANAKAGE
ヘアメイク協力:La Vida
※記事の組織名や肩書は掲載当時のものです。
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