歌川広重 高輪之名月(東都名所)

歌川広重が風景画の絵師としての出発点となった「東都名所」は、江戸及びその近郊の風景を写した十枚揃いの傑作です。広重が描いた高輪は、江戸湾の眺望が開ける景勝地で、江戸時代には人々で賑わう月見の名所でした。本図は大胆な構図ながら、秋の夕暮の哀愁に満ちた名作です。