歌川豊重 大山夜雨(名勝八景)

歌川豊重は師の初代・歌川豊国(うたがわ とよくに)の作風を受け継ぎ、美人画などを手掛けましたが八図の風景画シリーズ「名勝八景」により、不朽の名声を得ました。本図は大山(現・神奈川県伊勢原市)の夜の情景を描写した傑作と称され、「雨降り山(あふりやま)」とも呼ばれる大山の激しい雨が降る様子を、効果的にぼかし(グラデーション)を用いて、幻想的な雰囲気で表現しています。