葛飾北斎 賀奈川沖本杢之図

本図は版元・西村屋与八(永寿堂)が版行した揃物「冨嶽三十六景」を代表する「神奈川沖浪裏」の習作と考えられます。葛飾北斎が概ね四十代に発刊したもので、神奈川の沖合の波濤を描く構想は大きなテーマであった痕跡が伺え、尽きることのない意気込みを感じる作例です。