東洲斎写楽 三世坂東彦三郎の帯屋長右衛門 四世岩井半四郎の信濃屋お半

東洲斎写楽といえば「大首絵(おおくびえ)」が代表作といわれますが、この作品のような全身図にも魅力があります。本図は歌舞伎の演目「桂川月思出(かつらがわつきのおもいで)」を題材に、お半長右衛門(おはんちょうえもん)道行の場を描写したものです。写楽は役者の持ち味や役柄の特徴を掌握し、切れのある動きからしなやかな仕草までをもとらえました。