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 相次ぐ不幸な事件に遭遇しながらも不屈と復活の意志を力強くアピールするニューヨークの人々を支えているのは、“どんなことがあっても自分達の町は自分達で守りきる”という強い思いです。その姿に私達は心を打たれますが、日本においても同様の意識に支えられた民間レベルの防災組織が存在し、国や都が行う防災行政を力強く支え続けています。本来の仕事を持ちながらも災害発生時には率先して現場に駆けつけ安全確保を行う他、夜警等の地道な活動も欠かさず、地域の防災リーダーとして活躍する消防団もそのひとつです。今回は、日本橋消防団第七分団の定例会におじゃまして、集まったメンバーの方々に消防団活動に賭ける思いをお伺いしました。
町火消しの心意気を受け継いで
 い組、ろ組、は組と纏を振るう姿を華とまで謳われた江戸町火消し制度も、火消し頭を中心に各町内毎に設けられた防災のための組織でした。その心意気は代々受け継がれ、町火消しの末裔が現在、消防団員となられて活躍されているケースも多いようです。実際、日本橋消防団第七分団副分団長の榊弥太郎さんの御先祖も、江戸茅場町で火消し頭を務められていました。以降、榊家では代々民間防災組織に所属し、弥太郎さんで七代目にあたられるそうです。こうした自発的な防災意識の高さに欧米人も心を動かされたのか、第二次世界大戦敗戦時にGHQの通達によって自警団等の戦前からの諸団体が全て解散させられた際も、消防団だけはその存在を認められ、現在に至っています。
 
地元消防署との強固な連携の中で
 「生まれ育った町の役に立ちたくて、消防団に入団しました。昔からの知り合いと一緒になって、一つの目的に取り組んでいけることが大きな魅力ですね。」と語る、分団員の中川健次さん。消防団は、東京消防庁の管轄下にあり、行政区内の各消防署と連携を取る形で活動を行います。中央区の場合、月島地域を臨港消防署に臨港消防団、京橋地域を京橋消防署に京橋消防団、日本橋地域を日本橋消防署に日本橋消防団が連携しています。そして、各町会連合毎に分団が存在し、それぞれの地域で防災活動を行っています。日本橋消防団第七分団が担当するのは、日本橋第七部連合町会を構成する兜町及び茅場町1〜3丁目地区。現在、男性16名・女性1名の団員が、春と秋の火災予防週間時の訪問防災診断や歳末警戒活動を日本橋消防署員と連携を取りながら行っています。
 
災害時には我が身を省みず
 「消防団に入ると、ユニフォームやヘルメットなどたくさんの備品が支給され、その管理だけでも大変です。帽子だけでも8つから9つもあるんですよ。」と笑われたのは、入団2年目の島田佳夫さん。現在、茅場町で煙草屋を営まれていますが、地元で火事が発生した際には現場に急行します。本来は各消防団本部を通して分団に火災の発生が伝達されるのが正式な経路ですが、消防車のサイレンを聞いただけで現場に駆けつけてしまうそうです。火災現場では実際に消火にあたるよりも、警戒線を張って消防士が動きやすいように交通整理をしたり、現場の安全を確保する作業を行うことが多いそうです。全ての災害時において、そうした地道な活動が人の命を左右する重要な役割を発揮します。日本橋消防団第七分団のメンバーは、地下鉄サリン事件の際には被災者達を自分の車で連れていくなどの救助活動も行っています。
 
本職と変わらぬ訓練を受けながら
 「日常の訓練活動をしっかりと行うことが、私達には一番大切な仕事だと思います。」と顔を引き締めるのは、普段は左官業をされている分団員の浦野常徳さん。その任務の重要性から、消防団のメンバーは日頃から地道な訓練を欠かしません。各分団毎に配置されている消防ポンプによる消火訓練はもちろん、台風の際に地上の通風口から地下鉄の中に水が入らないように土嚢を積み上げる水防訓練等を本職の消防士達と合同で行います。さらに、人工呼吸等を行う上級救急救命士としての講習の受講、毎年一回各消防署管轄の消防団から1名ずつ消防団員が参加して、渋谷区幡ヶ谷の消防学校で消火活動の実践や人命救助等、本職の消防士同様の訓練を行っています。
日頃のコミュニケーションが町を守る
 「特に中央区では飲食店が増えています。仕事が終わった後は必ず消火の確認をすることはもちろん、ダクトの掃除もするようにして下さい。長年使用していると中に埃がたまり、引火する可能性が大きくなります。」とのアドバイスをくださったのは、副分団長の武田武さん。普段は、消火器等の防災関連設備のお仕事をされています。武田さんはさらに、災害時に一番大きな力になるのは町のコミュニケーションだと強調されました。阪神大震災の時にも、町のコミュニケーションの有無がその後の復興の鍵を握ったと言われます。日頃から運動会など行事の多い町会は、多くの人が協力しあう体制が整っています。地域のチームプレイが、災害時には最大の命綱となるようです。そうした認識を踏まえ、各町会の祭礼時に消防士の方々が御神輿を担ぎに行くなど、地域内のコミュニケーションづくりを大切にしています。
町を愛し、人を愛する人ならば
 「つまりは、『よし!』という確認の言葉が、消防団の本質なんですね。」30年以上に渡って兜町・茅場町を見守り続けた日本橋消防団第七分団長の田村新三さんは、さらに「自分の家を失いたくないから私は家を出る際には必ず、火の元を『よし!』という声を出して確認しています。その気持ちが、自分の町から火を出さない気持ちにつながります。そのために、昔からの知り合い同士が協力しあって、みんなで一緒に防災活動を行う。自分達の町は自分達しか守る者がいないのだという強い思いが、私達消防団員を結びつけているんです。」と強く語られました。  現在、中央区は居住者の減少から、消防団員の不足に頭を悩ましています。皆さんも、愛するものを自ら守る充実感を一緒に実感してみませんか。地元に居住もしくは勤務している人であれば、老若男女問わず入団可能です。

日本橋消防団第七分団に入団御希望の方は、info@tokyochuo.net 宛で、お名前・連絡先・メッセージをお知らせ下さい。

2001年12月掲載記事  
※内容は、掲載当時のものとなります  
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