A.最近の猛暑では、水分補給が大切なことは皆さんご存じですね。特にここ、東京の都市部では、人工排熱(自動車などの排熱)やコンクリート面、アスファルトの増加などによる「ヒートアイランド現象」が起こりますから、思ったより熱中症の危険がありますので充分注意が必要ですね。水は熱中症予防の水分補給という意味合いだけではなく、人が健康な身体を維持するために、常に1日に1リットル以上の水を飲むことが大切です。
では、何故それほど飲む必要があるのか。それは、水分は身体の老廃物を排出するために欠かせないものだからです。体内の老廃物は、水に溶けこむことによって汗や尿、便という形で身体の外に出ていきます。水分を体内に取り入れるためには「水を飲む」という行為以外はありえません。では「水以外はどうなのか?お茶などは?」と、その違いについての質問もいただきます。お茶やコーヒーには水以外の成分が含まれていますから、体内の老廃物を溶け込ませる作用は、水に比べて弱まります。しかも、お茶やコーヒーには利尿作用があり、飲んだ以上の量が尿となって排出されます。やはり水そのものを、1リットル以上は飲む必要があるのです。(※心臓や腎臓にご病気を抱えている方については、水分の制限が必要な場合がありますのでこの限りではありません)朝の起きぬけの1杯の水は、胃腸に適度な刺激をもたらします。なにせ最たる老廃物排出作用である「便通」を促してくれますから、これも大切な行為です。
Q1.水分を摂ることが身体に良いとよく言われますが、夏は熱中症の予防になるとは知っています。
Q2.水を飲むと、トイレが近くなって夜中に眼が覚めるので嫌。就寝前は水分を控えてしまいます。
「水を飲んだほうが良い」と言われたこともありますけれど・・。
A.そうおっしゃる方がとても多いです。でもそれはいけません。是非とも改めていただきたい習慣です。人の身体からは寝ている間に多くの水分が失われ、その量は一晩に400ml以上ともいわれます。人間の身体の水分量は、成人で60%と知られていますが、高齢になると55%程度にまで減少します。ですから、ただでさえ水分量が少なくなってきた中高年以降の方は、起きてから水分を補給しないままでいると、脱水症状に陥る危険があります。
高齢者のなかには、朝のトイレ時に脳梗塞で倒れたという方が少なくありません。これは、寝ている間に水分が失われるため、血液中の水分も不足して血栓ができやすくなり、血管が詰まるきっかけとなってしまうからです。血液は赤血球や白血球などの「血球」と、液体部分の「血漿」から成っていますが、水分が不足してしまうと血漿の量が減り、血球の割合が増えていきます。すると、血球同士がくっつくように集まり、粒が大きくなったりつながったりしてしまいます。これが、いわゆる「血液ドロドロ」という状態です。「血液がサラサラ」か、ドロドロか。それは摂っている水分量こそが、最も大きな要因になります。是非、就寝前にコップ1杯の水を飲む習慣をつけましょう。そして水分が不足している朝にもまた、寝起きのコップ1杯の水を。
※今回のコラム内容につきましては、2013年7月4日(木)にテレビ東京放送の報道番組『Newsアンサー』で院長がコメントした内容と、視聴者の皆様からいただいた御質問で最も多かった内容について院長が回答したものを、まとめて作成致しました。
放送内容についての情報は、当院ホームページの「トピックス」欄にありますのでご覧ください。
http://www.synergy-clinic.com/topics/000198.php
菅井先生がお勤めの病院をご紹介します
病院名 | 医療法人社団 東京シナジークリニック |
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