A.「寒い」「冷たい」という刺激で、血圧は上がります。ですから特に冬場の朝は、血圧が最も上がりやすくなる状況にあります。湿度を保つことに注意しつつ、暖房などで室内をくまなく暖かくするという配慮が必要です。
近年、注意を喚起していますので、聞いたことがある方も多くいらっしゃるかもしれませんが、特に冬場は「ヒートショック現象」に気をつけなければなりません。これは急激な温度の変化によって、体の血管が急激に縮こまり、血圧や脈拍が変動を起こすことです。入浴前後に心筋梗塞や脳卒中などの事故が起こるのは、このヒートショック現象に因るものが多いとされています。家の中とはいえ、冬場は浴室内と脱衣所の温度差が大きくなることがありますから、特に高血圧と診断されている方は十分にご注意ください。
Q.血圧は、測る時の条件で、かなり違った数値が出ます。測る場所を変えるなど、いろいろ試しましたが結構違いがあります。どの数値を信じれば良いのでしょうか。
A. 測定条件については、あまり皆さんに知られていませんが、細かい注意事項があります。目立つものを挙げてみましょう。
●血圧を測定する前の安静時間は、慣例的に5分とする。
●カフェイン含有物や喫煙後は一時的に血圧上昇がみられるので、測定前30分以内の摂取は禁止とする。
●足は組まない。足を組むと「上の血圧(収縮期血圧)」が2~8程度上昇する。
●「背もたれ」のあるイスで測定する。背もたれのないイスで測定すると「下の血圧(拡張期血圧)」が6程度上昇してしまうことがある。
●測定時は喋らない。話しながら測定すると血圧が上昇する。
●入浴した後、1時間以内の測定は避ける。入浴直後は血圧が一時的に下がることが知られている。
上記の様な注意事項は、ごく一部なのですが「イスの背もたれの有り無し」「足を組む行為」などにまで言及されているのは、けっこう細かくて意外だと思われるでしょう。
実は測定器具とか、さらに詳細な規定もあります。細かく気にし過ぎると血圧測定の意欲がそがれてしまいそうなので、あえて割愛します。
では、これだけは守っていただきたい血圧測定の要点だけを抜き出しましょう。
●朝と就寝前の2時点で測定する。
●いつも一定の時間に計る。
●排尿後に行う。
●座った体勢で測定する。
●測定中は会話をしない。
最低限、これらの条件を満たした測定を心がけてみてください。
◆高血圧治療のガイドラインは現行の2009年版に代わり、本年春に公開予定の2014年版が日本高血圧学会で作成されております。改訂に関わる部分については、今回は触れておりません。
◆参考文献:苅尾七臣 編(2010)『ガイドライン/ガイダンス 高血圧』日本医事新報社
菅井先生がお勤めの病院をご紹介します
病院名 | 医療法人社団 東京シナジークリニック |
---|---|
診療科 | 一般内科診療(保険診療)・自由診療(保険外、アンチエイジング診療) |
診療時間 | 午前9:30~13:00 / 午後15:00~18:30 |
定休日 | 水曜日・土曜日午後、日曜日・祝日は休診(※予約制のアンチエイジング診療は水曜も診療日です) |
住所 | 〒104-0051 東京都中央区佃1-11-8 ピアウエストスクエア2F |
電話番号 | 03-6219-5100 |
ホームページアドレス | http://www.synergy-clinic.com/ |