A. 人間の老化の程度を評価する重要な項目として「血管の老化」つまり「動脈硬化」が挙げられます。ご存知かもしれませんが、日本人の3大死因は「ガン」「脳卒中」「心臓疾患」です。ガンを除く2つは、動脈硬化が原因で起こります。よって、健康長寿を目指す私たちとって、血管を若く保つことはとても大事な目標になります。
動脈硬化を防ぐ、あるいは進行させないための日常生活の工夫のひとつとして、食事内容の見直しは定番ですが、そのうちの中で「血液をサラサラにする食品を摂りましょう」という指導があります。「血液をサラサラに~」というのは、一度は皆さんも聞いたことのあるフレーズですね。例えばどのような食品を摂れば良いのでしょうか。ひと昔前に、東京女子医科大学附属成人医学センターの栗原毅先生(当時)が、血液をサラサラにする食品8品目を、覚えやすいように「オサカナスキヤネ」という語呂合わせで覚えましょう、と提唱されました。オは「お茶」、サは「魚」、カは「海藻」、ナは「納豆」、スは「酢」、キは「キノコ」、ヤは「野菜」、ネは「ネギ」。それぞれのはじめの文字を並べたものですが、とても覚えやすい語呂合わせだと感心しております。これらの食品は普通にスーパーなどで手に入るものばかりですので、まずはこの8品目をなるべく意識するように心掛けていけば良いと思います。
8品目の中で野菜と呼ばれるものは、ほとんどが健康に良いのですが、その中でも個人的にお薦めなのは「アブラナ科」の野菜です。ブロッコリーやキャベツ、カリフラワーなどがその代表格ですね。直接的に血液をサラサラにする効果ではありませんが、豊富なビタミンと「抗酸化物質」を含んでいて、これは老化や病気の原因となる活性酸素から体を守る作用を持ちます。そのなかでも「スルフォラファン」と「インドール3カルビノール」という2つの抗酸化物質(言いにくいし、覚えにくい名前です)は、乳がんの危険因子と考えられている「16αハイドロキシエストロン」を低下させる能力があることがわかっていますから、女性の美容やバストケアに良いしおすすめですね。
※参考文献
参考文献:栗原毅.2005. 『血液サラサラ生活のすすめ』東京;小学館.
◆5月9日(金)に放送されたTBS系列の番組『中居正広の金曜日のスマたちへ(金スマ)』の中で、菅井先生が高血圧症、血液ドロドロ状態の番組スタッフにコメントした件(http://www.synergy-clinic.com/topics/000314.php)につきまして、放映後に同様の状況に悩む方からたくさんの質問をいただきました。今回は、菅井先生がそれに対して回答した内容をもとに作成しています。