A. ホルモンというのは、身体の一部で作られて、他の部分に指令を伝える「メッセンジャー」です。ホルモンは成長や発達、代謝機能、気分の変動、生殖など人間の様々な機能に関与し、なかでも「成長ホルモン」は大きな役割を担っています。脳の「下垂体」というところで作られ、そこで作るホルモンの中でも最も量の多いホルモンです。
その昔、先人たちはこのホルモンが出来るピークが、青年が急に成長する時期と一致していることに気づき、これを成長ホルモンと名付けたのではないかと言われています。
実は、この成長ホルモンは成長が止まった後も作られ、身体ではアミノ酸の取り込みを促すなど終生にわたり大事な役割を果たします。他の様々な効用には、骨を丈夫にする、健康な皮膚を作る、性的能力を高めるほか、免疫システムや記憶力を強化するなど、その作用は多岐にわたります。しかし成長ホルモンは、30歳頃から徐々に減っていき、10年間で13%も減ってしまうのです。そのため加齢や老化に伴う身体の変化のいくつかは、成長ホルモンの減少と関係があると考えられています。さらにこのホルモン分泌を抑えてしまう悪い要因としまして、運動不足、ストレス、糖質類(炭水化物)の過剰摂取、睡眠不足などがわかっています。
成長ホルモンの分泌低下を防ぐ方法として、まっ先に挙げられるのは運動です。なかでも効果的な運動法は、筋肉トレーニング。その他には、高たんぱくの食事や十分なアミノ酸の補給、さらには「心のときめき」という、気持ちの持ちようでも成長ホルモンの分泌が活性化されることがわかってきました。最近の研究では「心のときめき」などの感情、精神的な側面が、実は身体と密接に関係していることが明らかになってきました。
それについて詳しくは、またの機会に。
※参考文献
米井嘉一・比嘉一雄(2014)『48歳からも成長ホルモンできれいになる。』BLUE LOTUS PUBLISHING