A. 抗加齢医学の定義は「元気で長寿を目指す理論的・実践的科学」というものです。単に寿命を延長することが目的ではなく長寿の質を重要視します。病気を完全に排除した理想的な状態を指すところの健康とは違い、たとえ何かしらの病気をもっていてもそれを抱えながら元気で長寿を目指すことを掲げています。
いま日本が直面している大きな社会問題は、少子高齢化社会です。抗加齢医学に携わる私たちは、高齢者をめぐる問題をさまざまな観点から考え、新しい高齢者像を考えています。それは、少数の若者が多数の高齢者を支えていかなければならないという悲観的なとらえ方をせずに、高齢者が抗加齢医学による指導・治療を受けながら若者と同じように仕事を続けていくことができれば、問題の多くは解消し得るという、前向きに考えた取り組みです。詳しい内容については、またの機会に。