Q1) 45歳男性です。フルマラソンに挑戦しようと思い、毎日ジョギングをするようになったら1週間位でひざの外側、大腿骨側のでっぱり周辺が痛くなりました。最近では痛くて走るのが困難になりました。どうしたらよいでしょうか。


A. 腸脛(ちょうけい)靱帯炎の可能性が高いでしょう。腸脛靱帯とはその名の通り、腸骨から大腿部の外側に沿って脛骨に渡る人体最長の靱帯です。腸脛靱帯炎は、緊張した腸脛靱帯が、繰り返しのひざの曲げ伸ばしに伴って大腿骨外側の骨のでっぱりを乗り越える際に加わる摩擦や圧迫力によって引き起こされます。陸上中・長距離走、マラソン、サイクリングなどに見られる代表的なスポーツ障害のひとつです。ランナーに多く起きるため、ランナーひざとも呼ばれます。
 短距離走では大腿後面部の肉離れなど急性の障害が起きやすいのに対して、中長距離走での障害の多くは走り過ぎにより生じます。また、ランナーの障害部位としてはひざが圧倒的に多く、次に足部が続きます。
 腸脛靱帯炎では、大腿骨の外側の骨のでっぱり部分を押すと痛みを感じる部分があるはずです。
 治療は、ランニング量を減らす、一時的に中止するなど、局所を安静にすることで、消炎鎮痛を図るのが基本です。超音波を用いた物理療法やひざや股関節周囲筋力の強化訓練などの運動療法も有効です。
 発症には、ランニング量の過多だけでなく、筋力、筋の柔軟性のアンバランスやO脚、下肢の回旋異常といった解剖学的因子やフォーム不良、ストレッチング不足、走路の状態、踵のすり減った靴などのスポーツ環境因子など多因子が絡み合って生じます。ジョギング前後に腸脛靱帯につながる大腿筋膜張筋の十分なストレッチング、ひざ・股関節周囲筋のトレーニング、終了後に患部のアイシングを行う、いきなり長距離を走らず、少しずつ距離を伸ばすなど、普段から意識して発症の予防に努めましょう。
 いずれにしても、痛みを感じたら、早めに整形外科医にご相談ください。

  
  

鈴木先生がお勤めの病院をご紹介します

病院名 リバーシティすずき整形外科
診療時間 午前9:00~12:30 / 午後14:30~18:00  土曜日9:00~13:00
定休日 木曜日午後 / 土曜日午後 / 日曜日・祝日
住所 〒104-0051 東京都中央区佃1-11-8 ピアウエストスクエア2F
電話番号 03-3534-5678
ホームページアドレス http://suzuki-seikei.tokyo/
  
 
copyright 2004 Tokyo Chuo Bissiness Navi All Rights Reserved.