アイデアとポスターを公募
「江戸開府400年実行委」が発足

 来年は徳川家康が征夷大将軍に任じられ慶長3年(1603)に江戸に幕府を開いて400年になる。この大きな節目に記念行事を実施して祝うとともに、東京の中心を担ってきた中央区の誇りを示そうということで、24日、中央区江戸開府400年記念事業実行委員会が発足した。家康は開府前から江戸に入り新しい町づくりを進めていた。その最初の町が本町界わいで、開府と同時に日本橋を創設して道路元標を定めた。いわば現在の中央区は江戸城の下に広がる、いわゆる下町の発祥地で、商業文化がここに集中した。こうした歴史的事実から400周年を中心的に担う立場に置かれているわけ。実行委員会の会長に決まった竹内誠氏は現在、江戸東京博物館の館長。人形町の生まれで生家はたい焼で知られる店で、実兄は地元の町会長を三月までつとめた。東京教育大学卒で東京学芸大学で教壇に立ち、NHK大河ドラマなどの時代考証もしている。



会長に竹内氏
 会長に就任した竹内氏は、「人形町に生れ育った者として、いつか御恩返しをしたいと思っていたところ、待望の機会が与えられたものと喜こんで引き受けた。ただ、会長の大役には戸惑っているが、江戸の歴史を研究してきた立場から微力を尽したい。皆さまのご協力によって新たな文化の創造と賑わいの創出に貢献できればと思っています」と挨拶した。
 他の役員と委員は別項のとうり。
 実行委員会には検討委員会が設けられ事業の計画、実施について検討する。
 またプレイベントとして、「ポスターコンテスト」ならびに「記念事業アイデアの公募を実施すると決まった。
 <ポスターコンテスト>幅広い参加を得るため、応募資格に制限なし▽募集期間は8月中旬から9月末日までとして、区のお知らせ、区のホームページで募集しマスコミも活用する▽優秀作品(最優秀賞、優秀賞、佳作)には賞状賞金を授与▽選考委員は、芸術美術の専門家と記念事業検討委員で構成▽応募作品は、10月の産業文化展で展示、表彰式も行う▽記念事業のポスター案については作者の了解を得て、作品の一部を変更できるとする。
 <記念事業アイデア>公募することで事業の事前PRを図るとともに内容の充実を求める▽募集は8月1日から20日(火)までとし、1日号の「区のお知らせ」と区のホームページに掲載▽応募の体裁は自由で、郵便、ファックスメールのいずれかによる。
 検討委員会は学識経験者と区と委託業者(朝日広告)で構成し、26日に第一委員会を開いた。9月には実行委員会で中間のまとめとして14年度の事業を決定。さらに11月に「まとめ」として事業概要を決定、来年度予算で具体化する。
 日本橋名橋保存会からは、「日本橋が創架され、来年3月で400周年になるので実行委員会を設けて検討しているが、今のところ3月30日にメインイベントを予定している」との発言があり、竹内会長は「重要な情報なのであわせて検討する」と答えた。


実行委員会の委員
 会長 竹内誠(江戸東京博物館長)▽副会長 岩崎裕之(区商連会長)湧井恭行(日本橋町連会長)小坂敬(銀座通連合会会長)宮入正則(勤労者サービス公社理事長)▽顧問 福原義春(観光協会会長)山本恵造(文化・国際交流協会理事長)三田政吉(日本橋地域ルネッサンス百年計画委員会会長)矢田美英(中央区長)今野弘美(議長)立石晴康(都議会議員)▽参与 石島秀起(自民党議員団幹事長)渡部博年(中央区民クラブ同)青木一雅(公明党同)田辺七郎(共産党同)
 委員 小野一成(区文化財保護審議会会長)西井哲郎(朝日新聞東京本社代表室長)細田安兵衛(観光協会副会長)山岡安之助(銀座ナイン出店会会長)水野雅生(工団連会長)東靖雄(京橋二の部連合町会長)柴崎仁久(月島町連合会)佐藤好信(P連合会)田中郁夫(青少年委員会)古屋勝彦(東商支部会長)井上和雄(名橋日本橋保存会会長)花柳壽輔(古典芸能の会会長)鹿島靖幸(江戸消防記念会会長)小柳重隆(東京中央大通会会長)重盛永造(人形町商店街協同組合理事長)関本幸成(築地市場協会会長)三田芳裕(明治座副社長)大谷信義(松竹社長)平出昭二(三越専務本店長)磯村雅一(高島屋東京支店長)松澤憲邦(松屋専務本店長)山口光(三越銀座店長)松本光雄(松坂屋銀座店長)杉山潤(プランタン銀座社長)石川唯夫(晴海コーポレーション社長)岩沙弘道(三井不動産社長)佐藤一夫(東京都公園協会理事長)茂木助役、古海収入役、西田教育長