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区議会の一般質問は9月26日から2日間にわたり繰り広げられ、当面する区政の課題が論議された。質問に登壇した各会派の代表議員は次のとおり。中央区民クラブ=坂戸三郎▽公明党=鈴木幸子、佐藤孝太郎▽共産党=森山一、鞠子勝彦▽自由民主党=原田賢一、小林高光。各議員と理事者のやりとりをまとめた。
坂戸 三郎議員
月島や佃などに出現する超高層マンションが総合設計制度として建てられていることについて区の対処について質問。矢田区長は「地区計画や開発指導要綱の整合性のもと導入している」と説明した。またマンションと地域とのトラブルについても言及。区長は「業者への指導は難しいが都市計画と条例改正の検討をすすめており、今年末にも明らかにする」と言明。
名橋日本橋の高速道路撤去をめぐり「4つの案」が出されたが、今後のこの問題への区の関り方について質問。区長は「4つの案にこだわることなく都心再生会議などの検討もふまえ対応していく」との柔軟な姿勢を示した。
再開発のなかで「再開発は時代の流れでもあるが、古き良きものを破壊することにもなるので、地域の文化の雰囲気を残すべき所は保護が重要だ」と主張。区長は「手づくりイベンなどの助成」と銀座交詢社や三井本館など価値ある建物の保存といった施策を説明した。
ヒートアイランド対策として、屋上の緑化・壁面の緑化に加えて駐車場周囲に樹木、芝草木を植える、大きな樹木の保存、ベランダの活用などを提案し、区の積極的な対応をつよく求めた。
鈴木 幸子議員
児童虐待などで心傷ついた児童を施設に収容するのではなく「里親制度」の活用を提案した。
区長は実績がないとしつつも制度のPRにつとめることを約束した。また月島の保険センターで始めた「親子フロア」を日本橋や京橋でも実施してほしいと要望。区長は検討すると答弁。
タバコの害が各方面で指摘されていることと健康への影響について実例を示したうえで「小中学校の施設内を「ノースモーキングエリア」にするようにと提案。西田教育長は、分煙の徹底をはかりつつ学校側と協議して拡充につとめたい、との方向性を示した。麻薬、覚せい剤の乱用防止を訴えている「キャラバンカー」を区内学校でも活用するよう、強く求めた。
佐藤孝太郎議員
いじめ、不登校が減るどころか、むしろ増えている現状認識をただした。教育長は、「減少しないことは憂慮すべきことで、子供の声を聞き分析するとともに、教師の指導力の向上につとめたい」との原則論を示した。
また教育センターで夜間教室を開設することで「学力不振や進路不安をなくし不登校の解決につながるのではないか」と提案。教育長は検討すると答弁。
教師には「子供のもつ無限の可能性を信じ、忍耐づよく育み続ける豊かな心こそ知識や技術以前にその資質が求められる」と主張し、体罰の禁止を強く求めた。
意欲ある教師を育てるため品川区が採用した外部評価制度に言及。教育長答弁は保護者会や健全育成連絡会議などで対応していると現行の説明にとどめた。
原田 賢一議員
今日の社会状況で拠って立つべき指針とは何かと質問、区長は、社会の基礎は人材であり、人づくりこそ国づくりの認識のもと行政は常に新たな発展の筋道を明示する責任がある、と考え方を示した。
失業者が急増しているなかで区としても雇用の機会を提供すべきだと要望。区長は、若い世代の雇用の方策を研究すると約束した。
人口急増で区民の意向をつかむ必要性が求められているとき、区の世論調査は毎年実施するようにと求めた。区長は必要性を見究め時機を逸することなく実施すると答弁。
子どもたちにどのような人間像を求めて教育しているかと質問。
教育長は、現在、中央区の教育を考える会で検討中で、適度な競い合いを視野に入れた教育改革を進めていきたいとの方向を示した。
小林 高光議員
市場移転に揺れる築地場外市場のあり方に言及、銀座との関わりについて、区の考えている展望をただしたところ、区長は「地域のブランドを生かし、両地区を連結することで相互の魅力を高めあう商業地の形成」の視点から検討していくと答弁。
浜離宮と水辺を生かした大観光スポットという視点で、築地場外をとらえなおし、再構築していくようにと、自らシドニーで視察してきた施設など外国の例を示して提案した。
区長は、観光は生産や雇用の誘発にも大きな効果があり、区内産業の活性化に大いに資する、との考え方を示したうえで、都も場外市場を特色あるショッピングルート(観光産業振興プラン)としているので「観光のキーポイントとして今後、様ざまな可能性を検討していく」と答えた。
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