勝どき1丁目整備、都が計画修正
 晴海通りを築地から勝どき橋を渡って左側に広がる住宅群が都営住宅をふくむ勝どき1丁目団地。ブロックに分けての建替工事が平成11年から始まり、すでに2棟のビルが完成している。
 東京都は10月31日付けで「諸般の事情により新たな計画を策定することにした」と区長あてに通知してきた。
 見直しの理由は次のようになっている昨年度末に月島浴場の立退きの見通しがついたこと、また、都市再生特別措置法が制定され、当団地が都市再生緊急整備地区に指定される地区内にあることから、地域の活性化、民間活力の導入、民間住宅の供給等の視点から見直す。
 まず勝どき第三アパートの6号7号棟、3号棟を一体開発(建替)し、保育所も計画する。この事業を民間活力の導入(PFI)で行い、民間住宅、福祉、商業、防災などの機能をくみ入れる。
 さらに保育園は次の手順で行うという。勝どき保育園は現敷地で工事竣工まで運営。かちどき西保育園は仮設用地を確保できないので、勝どき保育園の建物の上部を活用する。月島浴場については営業を継続しない。
 来年度に方針を決めて事業者を募集、十六年度に事業者を決定して協定を結び設計。これに対して中央区は、保育園の扱いや民間丸投げの危険性など要望書を提出した。


見直しへの要望書
<保育所の安全確保>
 勝どき保育園は昭和44年に建築され、耐震上も十分ではない。現行計画(平成16年度移転)が大きく遅れることにより、園児の安全確保上に問題が生じる。

<新設保育園の内容>
 人口の急増により、区内の保育所待機児数は増加の一途をたどっている。本区の推計によると、待機児数は平成20年度に470人余りとピークを迎えることが見込まれる。このような保育ニーズに応える新たな園舎の規模や配置が明らかでない。

<仮保育の問題>
 かちどき西保育園(面積616平方メートル、園庭450平方メートル)の仮設園舎を勝どき保育園の建物の上部を活用する方向で検討するとしている。しかし、仮設園の規模や園庭の確保、勝どき保育園の園児が利用する中での整備工事の困難性や建物全体の老朽化など園児の処遇上も園の運営上も問題が大きい。

<都の責任放棄>
 新たな施設の内容やスケジュール、仮設園舎の整備などについて、すべて民間活用事業として事業者に委ねることとしており、公共施設や地域に対する東京都の主体的な責任を放棄している。