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統一地方選を前にして現職の区議会議員が八人も引退を表明した。会派の内訳は、自民3、区民クラブ1、公明2、共産2。議員として貴重な役割を占めてきただけに影響も大きい。引退議員のプロフィールをまとめた。
宮澤 一郎(自民党7期)新潟県の出身で父も弟も議員。政治家を志して上京。第1回目は惜敗するも深谷氏の秘書として初当選して以来、7回連続当選を果たす。若いときは先輩議員に歯に衣せぬ主張をして話題をまいた。議員道を説く貴重な存在。趣味は釣りで、また和服の普及にもつとめた。昨年から体調をくずして引退のやむなきとなった。その心境を「現役間際の投手が9回裏に爪が割れて降板する心境であります」との一文を本紙に寄せた。(人形町1-18-9)
礒野 義夫(自民党5期)20年前に立候補してトップ当選を果たした。PTAなど多彩な地域活動が功を奏す。議長を2度経験する幸運にも恵まれた。大学同窓のよしみで保坂参院議員と親しく、東南アジアの国々に緑を増やすボランティア活動に参加。場外市場で飲食店を経営して築地市場の移転問題では都と区の間に立って苦労する。体調をくずして引退するとともに地盤は長男に譲った。(築地4-7-7)
小林 高光(自民党3期)12年前、木村光春氏の後継者として当選。サラリーマン議員の増えているとき、新潟から集団就職で上京して豆腐店で働き独立、東京で有数の業績を果たした事業家として注目をあつめた。商売人としての感性は多くの議員の信頼を集めた。議長のとき地元出身の議員として刈羽原発のシンポジウムに招かれパネラーの大役を果たしたことも。(築地6―8―5)
富永 克子(中央区民クラブ六期)婦人学級や消費者友の会での活躍から、斎場や婦人センター設立を求める署名運動を展開して実現するなどの功績を果たす。また今期最後の定例会には作家の森下真理さんを代表に「文化館」設立の請願を提出し、会派の根回しに奔走した。女性議員として貴重な足跡をのこした。(中洲2―3―504)
青木 一雅(公明党4期)公明党の60才停年制により引退。浜町を拠点に先輩の青山象町会長の先導で地域の活動に積極的に関ってきた。三月議会では医療問題で共産党と対決するなど、気骨のあるところを見せた。(中洲六―六ラピュータ405)
佐藤 孝太郎(公明党3期)実直にして朴訃な人柄は会派をこえて信頼が寄せられた。鷹山翁をしたい、改革精神こそ行政改革の範であると、本会議場で説いて注目された。50歳なかばの引退を惜しむ声は議会内外につきることがない。(月島2-7-3)
木藤 えい子(共産党7期)28年前、ママさん議員としてデビュー。地域に根をおろすとともに議会にあってもそのさっぱりした性格が人気を集め、議会運営には貴重な存在だった。このため地域では党派をこえての信頼が寄せられた。(新川1―27―7―801)
森山 一(共産党6期)かつて都議選に出馬して1万票近くの得票の実績をもつ。湊町で3代目。人柄と実力の地域代表として信頼を寄せる人が多い。与野党問わず議会人として認められる存在。その引退に当たり、区長選への出馬を乞う人の多かった所以でもある。(湊1-6-2メゾンポルト402) |
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