駐車場確保に銀座ルール 隔地で駐車を集約する方式に

 銀座のまちづくりでは、不適格建物と違法駐車が最大のネックになっていた。不適格建物については「機能更新型高度利用」の地区計画によって打開の道を開いた。一方、区は都などとの協議にもとづいて駐車場の問題については「銀座ルール」という新しいシステムを採用することになった。同時に区は六月区議会に「駐車違反防止条例」を上程した。これは銀座ルールを展開していく上で、区が取り締まりの警察署に協力していく内容を定めたもの。こうして銀座については隔地駐車場が認められることになり、裏通りに駐車場が並ぶ危険はとり除かれることになった。その代わり駐車場の利用業者は台数に応じて協力金を収め、これらを基金にして交通安全に供する。条例の施行は7月、銀座ルールは11月から動き出す予定だ。

初の違法駐車防止条例、9月施行


賑い維持のために
 銀座は戦後、最も早くビル化されたためにその後の法制度からは不適格と見なされる建物が多い。たとえば地下4階まで売り場フロアになっていて、これを建て替え従来の店舗面積を保つには高層化と莫大なコストを伴う。
 そこで区は新たに「機能更新型高度利用地区」という都市計画を定めた。一方、東京都は「付置義務駐車場」の条例を発動。新しいビルを建てるときには一定の割合に応じた規模の駐車場を設置しなければならなくなった。
 この条例を全ての新しいビルで適用していくと、裏通りに駐車場の出入口が並んで、商店街としての形状を成り立たせない恐れが出てきた。路上に違法駐車を並べさせないためとはいえ、「にぎわいの街並」は商店街の生命線。
 そこでは平成13年に国と都で検討会を設けて調査研究した結果、次のような新しいルールを定めた。

新しいルールの内容
 (1)延床面積1500平方メートル以上かつ敷居面積500平方メートル以上の建築物は、駐車場条例に基づく付置義務台数一・二倍の集約駐車場を確保。
 (2)延床面積1500平方メートル以上かつ敷地面積500平方メートル未満の建築物は、自己敷地で駐車場を確保するか、または集約駐車場を利用して確保(隔地確保)するかの選択性にする。
 (3)隔地による駐車場を確保する事業者は、その隔地した駐車台数に応じた協力金を拠出する。協力金は基金条例を制定し、交通環境改善事業などの支援金とする。
 (4)荷さばき駐車場については、既存パーキングの荷さばき利用、時間指定荷さばき道路への活用を検討する。身障者対応の駐車場は、案内所を設け、アテンダント(助ける人)を配置する。

違法駐車の条例も
 こうした「銀座ルール」を定めると同時に、警視庁からの指導を受けて中央区としては初の「違法駐車防止条例」を定めることにした。
 役割的には、警察署の取り締まりに対して区は指導助言をする。区が委託した警備員が区の指定した重点地域の町を巡回して、違反車に指導するとともにステッカーを貼って注意を喚気したり、駐車場の位置を示したマップを配ったりする。条例は6月議会で可決、9月施行とする。
 さらに「銀座ルール」に示したように隔地駐車場の利用金は区が「基金条例」を制定し、身障者駐車場など環境改善への支援に活用する。

銀座に協議会設置
 これら新しい事業を推進していくためには区は「銀座地区交通環境改善協議会」の設置要綱を定めた。4月25日に施行し、次の地元メンバーによって具体的な協議をすすめている。
 〈常識経験者〉倉田直道(工学院大学教授)
 〈商工業関係代表〉三枝進(銀座通連合会常務理事)斎藤充(銀実会理事長)山岡保之助(区商連副会長)岡平興四雄(銀連・全銀座会事務局長)須藤季彦(銀座地区駐車場協議会長)〈
地域住民代表
嶋田一夫(京橋二之部)五十嵐勝利(同三之部)高野辰明(同四之部)