営団ポスターで佃島の盆踊り紹介

 営団地下鉄のメトロ文化財団が「でかけましょ!!」シリーズの第1弾として「佃島の盆踊り」をポスターにして各駅に貼りだして、人目をひいている。ポスターの下には手引書ともいえるチラシが付いていて、そこには佃島の盆踊りのいわれが印刷され、多くの人が持ち帰っている。
 都の「無形民俗文化財」に指定されている佃島の盆踊りは、大阪から家康と共に入府した時に始まり4百年近い歴史を有する。
 佃島に住みついた人たちが7月の孟蘭盆に先人の供養に唱い踊ったもので、それは今も続いており、古い念仏踊りを継承しているところから、貴重な文化財になった。
 日本橋から西本願寺が移ったとき新しい寺づくりに率先して働いたのが佃の人たち。完成したときは江戸市中をこの盆踊りで練り歩いたと記録に残っている。以来、本願寺は佃住民の菩提寺となる。今は墓地は杉並区に移転。
 今回のポスターには盆踊りの歌詞の一節「秋の七草」がのっている。この唱をうたえる数少ない人、飯田恒雄氏の写真もある。
 「人も草木も盛りが花よ/心しぼまず勇んで踊れ/思い草なら信夫ではやせ/まねくすすきに気もかかるかやと/明日の朝顔宵から化粧/つぼみや紅筆咲きや紅ちよこよ/恋に桔梗は色よい仲よ/萩はねみだれて錦の床よ/おみなへしで風くねるまで/花のしこしぐさ/ああ恐ろしや/善に導け観音草よ/若い芙蓉もおきなの草も/秋の野分は無常の風よ/散れば残らず皆土となる/悟り開けば草木も国土/仏頼めよ南無阿弥陀仏」
 この秋の七草の他に「数え唱」もある。「一に一世災難のがれ/二には日夜の気も柔らぎて/三に三毒消滅するぞ/四には自然と家富み栄え/五には後生の疑い晴れて…」と続き「十に十方成仏助け/忘れまいぞや朝夕共に/信の一句が只肝要で/座臥に唱えよ/南無阿弥陀仏」で終る。
 信仰篤い佃島の心が伝わる念仏歌である。盆踊りは13日(日)から3日間。