月島と晴海の間の水辺空間「朝潮運河」を管理する東京都が新たな護岸整備構想を明らかにした。平成12年度に海岸法が改正され、従来の防護のみから「環境」や「利用」に配慮して管理を行うことになり、これにもとづいて朝潮運河も新たに「安全、環境、コミュニティ」を三本柱にした新しい空間を創出することになり、その内容が明らかになった。構想は年度内に策定される。阪神大震災で埋立地の護岸が沖合にふきとび液状化現象に見舞われることが判然とした。こうした防護とともに周辺に配慮したプロムナードに生れ代る。すでに晴海3丁目の両開発に合わせて先行整備され、来年度に着工、19年度完成と見込まれている。
黎明橋公園前
<憩いの広場ゾーン>黎明橋公園との一体的な整備を行い、水際部にワンドや砂浜を設けることで自然な空間とする。ワンド部に桟橋を設け、より水際に近づけるようにする。
≪ワンド≫水辺にできる池のようなたまり。石を積んだ所に砂がたまり出来る。魚や植物が生きる場になる。
朝潮大橋まで
<みどりの散策路ゾーン>水際部に連続性を持たせた遊歩道を整備し、民地側には植栽帯を設置する。民地部との境界部に生け垣を設け、住民のプライバシーや静かを確保する。植栽帯前面部の花壇などもふくめ、地域住民と共同維持管理を行う「里親制度」を検討する。
<里親制度>花壇の維持管理を住民ボランティアで行うこと。中央通りの花壇で実施されている。町会に依頼、公募による方法、NPOの活用などが考えられる。
<自然環境スポット>水生植物やカニ、ハゼなどの小動物を観察できるように潮位の変化を利用した護岸を部分的に整備する。
晴海トリトン前面
<にぎわいゾーン>トリトンスクエア前面は、護岸前面部を部分的に張り出した構造とする。また、民地側との接続部に大階段を設け、自由に往き来できるようにする。後背地の道路空間との一体的な整備を行う。再開発事業による公開空地との緑の相乗効果を視野に入れた整備を行う。
晴海3丁目開発前
滑らかな法面とし植栽を所々に配置することで、緑豊かな自然な雰囲気を創出する。後背地の道路空間との一体的な整備を行う。
再開発事業による公開空地との緑の相乗効果を視野に入れた整備を行う。
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