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プロフィール
昭和34(1959)年3月15日、中央区佃生まれ、佃育ちの江戸っ子。獨協大学経済学部卒業後、中央区に本社のある浅野商事株式会社入社、5年間の会社勤務を経て、昭和63(1988)年、家業の御菓子司・二葉家(明治元年創業)に。三代目現店主の父君より和菓子づくりを一から実践で修業、副店主として新しい和菓子の考案にも意欲的に取り組んでいる。平成7年、東京和生菓子商工業協同組合中央支部青年部(一歩会)6代目部長に就任、現在4期目を務める。ご家族はご両親と、弟さん。学生時代は卓球部で活躍、大学卓球部の監督を長年引き受け、社会人クラブに所属し時折試合にも出場する。
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細かく刻んだ生杏をぎゅうひでくるんだ佃もち。柔らかな食感と口の中に広がる杏のかおりがやさしい二葉家のメイン商品。日本古来からの伝統をもち、時代の変遷の中で、唐菓子、南蛮菓子、西洋菓子の新しい技法を取り入れ発展してきた日本の和菓子は、多種多様のバリエーションをもち、私たちの生活にゆとりと楽しみ、季節感をもたらし、さらに健康的で手づくりの温もりを与えてくれます。和菓子づくりを通して、和菓子の奥深い味わいを広く伝えたいとおっしゃる天宮さんにご登場いただきました。
 
中央区との関わりはどのようなものでしょうか?
 
 中央区佃で生まれ育ち、大学卒業後に入社した会社も中央区、明治元年創業で大正7年に和菓子屋「二葉家」を開き、私で4代目という中央区を離れた事がないちゃきちゃきの江戸っ子です。ご存知のように佃は島ですので、銀座から近い距離にありながら、かつては中央区の田舎という感がありました。現在は石川島播磨の工場跡地にリバーシティの高層マンション群ができ、住人口が急激に増え、町全体に新しい活気が出てきたように思います。古くからの佃の住民としてもこうした町の変化は嬉しいことです。佃煮をはじめ、お惣菜、和菓子など、昔ながらの手作りの店がいくつか点在していて、合理的で便利なスーパーとはひと味違うお買い物も楽しめます。隅田川沿いの道路もきれいに整備が進み、散策ルートとしても注目されてきています。佃は新しい感覚と、古いものの良さが上手に融合した非常に魅力的な地域です。
 
和生菓子組合についてお聞かせください。
 
 日本文化の伝統の中で育まれた日本の味「和菓子」を後世に伝え残すと言う目的で設立された東京和生菓子商工業協同組合の中央支部は100年以上の歴史をもつ組合で、中央区内の約40店舗が加盟しています。青年部は一歩会の名称で昭和58(1983)年に設立、45歳までの若手経営者および後継者で構成され、現在20〜40歳代の16名が会員です。東京の各支部の中でも、中央区は店舗、会員も多く中心となって活動しています。会員相互の親睦をはかりつつ、和菓子の共同宣伝や技術研究、会員への情報提供、催し物の開催などを行なっています。
 
中央支部青年部として具体的な活動をお聞かせください。
 
 中央支部だけでなく、その上の組織である東京和菓子協会青年部の第一委員会(中央、港、太田、渋谷、世田谷、目黒、品川)で、年1回の勉強会を行なっています。昨年度は、「東京ディズニーランドの経営に学ぶ」といったテーマで、社員教育担当の課長による講演会を行ないました。好、不況にさほど大きく左右される業種ではありませんが、ここ数年の構造不況の影響は厳しいものがあり、みなさん熱心に参加されました。また餡や精糖工場の見学、各地域の催し物に協賛するなどがあります。
 
中央区の関連ではどのような活動をなさっていますか?
 
 青年部としては、これまで毎年秋開催の「銀座祭り」に和菓子コーナーを設け、お団子や磯部巻き、お汁粉などの実演販売を行なってきました。昨年度から、「銀座祭り」に替わり、「日本橋・京橋まつり(毎年10月後半の開催)」に出店しています。お天気がよければパレードが行なわれ、大通りは賑やかに沸き返ります。青年部会員は前日からお餅の準備等におわれます。当日はお餅を焼き、出来たてを販売します。また、毎年春の「日本橋まつり(毎年4月第1日曜日開催)」でも同様に和菓子の実演販売が行なわれています。こちらは親会(中央支部)の主催で、青年部がお手伝いをしています。小さなお子様づれのファミリーの方や、若い方、年輩の方、老若男女をとわずご好評をいただいており、日頃の和菓子づくりに携わる励みにもなっています。
 
中央区の次世代を担う若者として伝えていきたいことは?
 
 日本独特の和菓子は、長い歴史に培われた伝統や進化してきた技法に支えられ、そのお店独自の味が創り出されます。また、作り手にとっても非常に奥が深いもので、日々研鑚の毎日です。おまんじゅうを例にしても、焼いたもの、蒸したもの、種(皮)と中身(餡)の組み合わせで多種多様、微妙な味わいが生まれます。また、春は桜餅、5月のお節句には柏餅やちまき、お彼岸にはおはぎや団子というように、身近な季節の行事に取り入れられ、喜びの日お祝い事に華を添えてきました。美味しい和菓子を季節とともに多くの方に味わっていただきたい。とくに21世紀を担う子供たちに、和菓子の味になれ親しみ、たくさん食べてもらいたいと思います。小学校の給食メニューに加えてもらったり、粘土細工で遊ぶ感覚で実際に和菓子つくりに挑戦してもらうイベントなど、一歩会でもそのような観点で、新しいアピールの方法を模索中です。
 
小さくてかわいい和菓子には、見て楽しい(視覚)、食べておいしい(味覚)、ほのかな香り(嗅覚)などなど、私たちの五感に訴えるものがたっぷり詰まっています。天宮さんたちの活動で、ロマンいっぱいの和菓子ワールドがより発展し、伝統的な味の継承、さらには新作のお菓子が生まれることを期待しています。

2002年3月掲載記事  
※内容は、掲載当時のものとなります  




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