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日本橋美人の美意識

HOME > 日本橋美人の美意識 > 創:伝統が培った技 創る・日本橋美人
日本橋美人新聞 増刊壱号(2007年)掲載

創 伝統が培った技


“心も身体も美しい”日本橋美人は、個性を大切にしながら自分の価値を高めている人。江戸開府以来長い時間をかけて独特の文化をつくり上げてきた日本橋には、個性を培う創造のヒントがたくさん残されています。
技を持った職人たちは時代の風を吸収しながら新しい伝統を創造してきました。日本橋美人ブランドの精神の根底にある創造の歴史を紐解き江戸の人々の美しさをあなた自身のものにしていきませんか。

伝統の技を伝える職人の街

財団法人三井文庫常務理事・文庫長 由井 常彦氏
刷毛 江戸屋手植えの技
 江戸城大奥で使う化粧刷毛や将軍お抱え絵師の刷毛を作っていた江戸屋は、享保三(一七一八)年に将軍家から「江戸屋」の屋号を与えられた初代利兵衛が大伝馬町に店を構えたことにはじまります。現在では表具や塗り物に使うものから家庭用のブラシ、半導体関連まで約三千種類もの製品を扱っています。
 品質の高さを支える「手植え」は、毛を指先の感覚で微妙に調整しながら量、長さ、折りを揃えて百個以上ある穴に植え込んでいく熟練の技です。職人の誠実な仕事が、「一度使うと手放せない」といわれる刷毛の伝統を守っています。
財団法人三井文庫常務理事・文庫長 由井 常彦氏
三味線 ばち英皮張りに魂を込める
 芳町の芸者たちや芝居が盛んな人形町の町衆の三味線屋「ばち英」は甘酒横丁にあります。三味線胴は胴屋、棹は棹師の仕事、ばち英ではそれらを組み立てる「仕込み」の工程を行っています。その中でも最も高い技術を必要とするのが「皮張り」で、温湿度に影響されやすい皮を胴に張って良い音にするには、長年培った経験と全身の感覚を研ぎ澄ました仕事が決め手と言えます。
 初心者へのアドバイス、皮の張り具合の点検や調律などアフターケアも大事にしています。歌舞伎に代表される江戸の伝統芸能をより良く理解するうえでも、三味線は忘れてはならない存在です。
財団法人三井文庫常務理事・文庫長 由井 常彦氏
表具 経新堂稲崎品格がにじむ掛け軸
 天保年間(一八三〇〜一八四三)に創業した「経新堂稲崎」は大経師と呼ばれ、表具師の筆頭格です。掛け軸や屏風、額、襖などの表装をするのが仕事です。絵や書などの作品を吟味し、その魅力を最大限に引き立たせるように掛け軸の形式と裂の素材を決めます。温湿度の変化による収縮率が異なる和紙と裂をよくなじませるように、水と糊と刷毛を使った数多くの工程を経て一つの作品ができあがります。普通でも一カ月、場合によっては一年以上かかることもあります。
 伝統の技を継承しながら、現代の住空間にも似合う図案、色など新しいスタイルの掛け軸や屏風・額を提案しています。
財団法人三井文庫常務理事・文庫長 由井 常彦氏
つづら 岩井つづら店若い世代の再評価
 「つづら」は江戸時代から着物などの収納箱として使われ、嫁入り道具として一家に一個はありました。日本橋には呉服店が軒を連ねていたこともありつづら屋も数多く存在していましたが、生活様式の変化に伴い呉服店が減っていくなかで、都内のつづら屋は二店舗のみとなっています。
 「岩井つづら店」では竹かごに和紙を貼り、柿渋と漆を塗布する仕上げ作業を行っています。軽く丈夫で通気性も良く、防虫効果が高い上に見た目も美しい伝統工芸品です。最近では民芸品として評価され、インテリアや海外へのお土産として人気があります。
財団法人三井文庫常務理事・文庫長 由井 常彦氏
染色 濱甼高虎江戸の洒落
 「濱甼高虎」では染色に関わる数々の工程を管理し、またオリジナルの図案や型紙制作、染色などを行って商品を作っています。
祭りなどの「半纏(はんてん)」、「手拭い」、一切合財何でも入れる袋の「合切袋(がっさいぶくろ)」、お守りを入れて持ち歩くための「掛け守り」などの商品には、伝承されてきた技と江戸の心意気や洒落が反映されています。
 例えば「大」きい「羊」の絵は「美しい」、「玉」と「下駄」で「たまげた」など、江戸時代の職人たちの現代にも通じるユーモアを感じさせてくれます。
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