Q.自宅で血圧を測ると高くないのに、病院だと高くなります。どういうことでしょうか。

A.それは「白衣高血圧」と呼ばれていて、実際に日常の診療ではよくみられる現象です。
 白衣高血圧とは、診察室で測ると血圧が高血圧なのに、診察室の外や自宅などでは血圧が正常な状態をいいます。したがってこれを診断するためには、家庭での正しい血圧測定が不可欠というわけです。「正しく測定するための条件」は前号をご覧ください。
 白衣高血圧、正常な血圧、高血圧の人の3グループで、脳卒中の発症率を追跡した研究(Kario K, et al. J Am Coll Cardiol 2001;38:238-45.)では、白衣高血圧の人の脳卒中のリスクは正常の人と同じ程度で、高血圧の人の発症率よりも低い結果でした。「ならば安心か!?」と思えますが、そうとも言い切れないようです。白衣高血圧の人をある期間にわたり観察し、(いわば本当の)高血圧症になるか否かという幾つかの調査があります。3年~6年ほど観察した調査の結果は、10%~70%の割合で(ずいぶんバラツキがありますね)将来的に高血圧症となるというものです。追跡したグループの条件や環境の変化などもありますから、私はあくまで参考程度にとらえていますが、白衣高血圧の人は、将来的に血圧が上がっていく可能性がある状態として、しっかりと家庭での血圧測定をするように指導しています。

  

Q.いつも家では血圧が高いほうだと思うのですが、病院で測ってもらうと正常だと言われます。平気でしょうか。


A. もし、いつも自宅で測定している「家庭血圧」が高くて、その値が平均的に135/85㎜Hgを超えているようならば、病院で測った血圧が正常と言われても「仮面高血圧」という状態かもしれませんので注意が必要です。
 仮面高血圧とは、病院の診察室で測る時は正常なのに、自宅では高血圧である状態で、お医者さんからみれば仮面をかぶって本当の姿を隠している状態であることから、このように例えられています。仮面高血圧の場合は、普通の高血圧の患者さんと同様に扱わなければいけません。何故なら、仮面高血圧の人は、脳卒中や心筋梗塞などの病気が起きる可能性が、高血圧の人と変わらないということが判っているからです。
この場合も、やはり対策として大事なことは日頃から家庭血圧を測ることになります。

  
  

菅井先生がお勤めの病院をご紹介します

病院名 医療法人社団 東京シナジークリニック
診療科 一般内科診療(保険診療)・自由診療(保険外、アンチエイジング診療)
診療時間 午前9:30~13:00 / 午後15:00~18:30
定休日 水曜日・土曜日午後、日曜日・祝日は休診(※予約制のアンチエイジング診療は水曜も診療日です)
住所 〒104-0051 東京都中央区佃1-11-8 ピアウエストスクエア2F
電話番号 03-6219-5100
ホームページアドレス http://www.synergy-clinic.com/
  
 
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